2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K03291
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小原 功任 金沢大学, 数物科学系, 教授 (00313635)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 複素解析 / 超幾何関数 / 数式処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の研究目的は,多変数超幾何関数について,パッフィアン方程式や関数等式などのさまざまな公式(関係式,不変量)を数式処理の技法を援用しながら導出するための新しい手法を開発することである.計算数理統計など関連する諸分野が急速に発展する中で,計算効率のよい公式を探索することの重要性は増している.探索は数式処理システム上に専用のソフトウェアを実装することで行う.特に,さまざまな非可換環において,グレブナー基底を効率的に導出する高速なアルゴリズムの開発と実装を通じ,この目的を達成する. 今年度は,まずb-関数計算に応用することを念頭に Poincare-Birkhoff-Witt 代数における計算アルゴリズムの改良と数学ソフトウェアの実装を進め,既存の手法では計算できなかった場合に不変量の計算ができることを示した(田島・鍋島との共同研究を含む).これらについては国際研究集会で発表する準備を行った.次にトロピカルWeyl代数におけるグレブナー基底の研究を行い(博士後期課程大学院生Ari Dwi Hartantoとの共同研究),具体的にグレブナー基底を導出するアルゴリズムを開発した.この研究成果については国内研究集会で発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた Poincare-Birkhoff-Witt 代数における計算アルゴリズムの研究に加え,新たにトロピカルWeyl代数におけるグレブナー基底の研究も開始し,その計算アルゴリズムを得ることができた.これらのことから概ね順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
概ね当初の予定通り計画を進めるが,今年度の研究よりPoincare-Birkhoff-Witt 代数上の加群におけるグレブナー基底の計算アルゴリズムとその実装が必要であることが分かったので,それらについても研究を進める.
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Causes of Carryover |
コロナ禍の状況で旅費の使用が予定していたよりは進まなかった。これらは次年度に使用する。
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