2021 Fiscal Year Research-status Report
Exact WKB analysis for differential equations satisfied by oscillatory integrals
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21K03300
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 三平 芝浦工業大学, デザイン工学部, 准教授 (20743230)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 完全WKB解析 / 微分方程式 / 振動積分 / Borel総和法 / Stokes幾何 / ADE型特異点 |
Outline of Annual Research Achievements |
Airy方程式やPearcey系を一般化したADE型特異点を持つ多項式の普遍変形を相函数とする振動積分の満たす微分方程式に対する考察を行うことにより、次の結果を得ることができた。 1. 相函数の鞍点を通る適切なサイクルを積分路とした振動積分の漸近展開により、微分方程式のWKB解が得られることを示した。この結果を用いることによって、積分路が別の鞍点にぶつからない点において対応するWKB解がBorel総和可能であることが明らかになった。 2. 積分路が別の鞍点にぶつかる点が微分方程式のStokes集合、つまり変わり点から出るStokes超曲面の集合、に含まれることを示した。 これらの結果を組み合わせることにより、Stokes集合以外の点においてWKB解がBorel総和可能であるという結果を得ることができた。さらに、考えている微分方程式を制限するとBNR方程式などの高階方程式が現れることから、得られた結果はこれまで予想されていた「高階方程式のWKB解のBorel総和可能性がStokes集合で記述できる」を部分的に解決できたということを意味する。この結果については現在論文にまとめているところである。
また、完全WKB解析において重要な対象であるStokes幾何を主題として、ここ最近の共同研究の結果をまとめた著書を出版する予定である。その準備として、Pearcey系や(1,4)型の2変数超幾何系などの微分方程式のStokes幾何についての考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標である「振動積分の満たす微分方程式のWKB解のBorel総和可能性をStokes集合で記述する」をADE型特異点を持つ多項式の普遍変形を相函数とする振動積分の場合に示すことができ、当初の予定以上の結果が得られた。このことより「おおむね順調に進展している」と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまではADE型特異点を持つ多項式の普遍変形を相函数として考えていたが、これ以外の相函数の場合に研究を行う予定である。特に、WKB解のBorel変換の特異性に周期構造が現れる相函数に対数函数を含む場合について研究を進めることを予定している。
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Causes of Carryover |
ノートパソコンの購入を予定していたが、2021年度の研究実施内容には必要がないと判断したために購入を見送った。また、研究集会や研究打ち合わせがオンライン実施になるなどにより出張が不要になることがあった。以上が次年度使用額が生じた理由である。 2022年度はノートパソコンを購入予定である。また、研究集会や研究打ち合わせが対面で実施される場合には出張を行う予定である。
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