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2022 Fiscal Year Research-status Report

拡散過程の特異性がある古典力学系による導出

Research Project

Project/Area Number 21K03302
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

梁 松  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60324399)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywordsブラウン運動 / 拡散過程 / 古典力学系 / 拡散過程の収束
Outline of Annual Research Achievements

「拡散過程の古典力学系による導出」という研究課題において、環境軽粒子の初期エネルギーの下限について条件を課さない場合について研究した。具体的には、一つの重粒子を理想気体と呼ばれる無限個の軽粒子を含む環境に入れ、すべての粒子の動きは古典ニュートン力学の運動法則に従うという古典力学モデルを考える。重粒子と軽粒子の間の相互作用はコンパクトな台を持つ十分滑らかなポテンシャル関数によって与えられ、斥力であるとする。軽粒子の質量が 0 に収束とき、速度と密度はそれに伴い一定のオーダーで無限大に発散する。このモデルに対して、重粒子の位置と速度を表す確率過程の極限を研究した。
軽粒子の初期エネルギーが十分高い場合、重粒子との相互作用は軽粒子の運動方向と速度を少ししか変えられず、軽粒子の速度の初期方向速度における成分がある程度保ったまま非常に短時間で相互作用有効領域を通過する。よって、軽粒子の挙動は、重粒子が動かないものとして得られる「凍結近似」で近似することができる。
しかし、より現実と合うモデルを与えるために、初期エネルギーが低い軽粒子も存在するモデルを考える必要がある。この場合、軽粒子の相互作用有効領域における滞在時間は非常に長くなる可能性があるため、凍結近似をそのまま適用することはできない。
今年度は、上述の低初期エネルギーを持つ軽粒子が存在するモデルを考え、一定の条件の下で、次元数が十分高ければ、重粒子の位置と速度を表す確率過程はある拡散過程に収束することを証明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初予定として、ブラウン運動の特異性がある古典力学系による導出という研究課題において、粒子間相互作用を与えるポテンシャル関数が有界であるモデルを考え、初期エネルギーが非常に低い軽粒子が存在する場合について、重粒子の位置と速度を表す確率過程の収束を証明することを目標としていた。今年度は、これを達成できている。

Strategy for Future Research Activity

ブラウン運動の古典力学系による導出という研究課題において、粒子間距離が 0 に近づくとき、ポテンシャル関数が無限大に発散する、即ち粒子間斥力が非常に強くなるという特異性を持つモデルを考えることも必要である。

今後の研究予定としては、このポテンシャル関数が原点の近くでは発散するようなモデルについて、軽粒子の質量が 0 に収束するとき、重粒子の位置と速度を表す確率過程の極限を研究する予定である。このようなモデルにおいて、ポテンシャル関数は有界ではないので、軽粒子の初期エネルギーが「十分」高いという概念がなくなり、今までの理論を再構築する必要がある。特に、個々の軽粒子の総エネルギーを評価することからこの研究を展開する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] ブラウン運動と古典力学系2023

    • Author(s)
      梁松
    • Organizer
      日本数学会
    • Invited

URL: 

Published: 2023-12-25  

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