2023 Fiscal Year Research-status Report
平均振動量・増大度が一様でない関数空間の理論と応用
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21K03304
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中井 英一 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 特任教授 (60259900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 勝男 日本大学, 経済学部, 研究員 (70165778)
堀内 利郎 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 特命研究員 (80157057)
貞末 岳 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40324884)
米田 剛 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (30619086)
澤野 嘉宏 中央大学, 理工学部, 教授 (40532635)
藤間 昌一 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (00209082)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 関数空間 / 実解析学 / 調和解析学 / フーリエ解析学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究分担者や研究協力者との研究打合せを、対面と遠隔で行った。また、5月に早稲田大学の応用解析研究会に招待され、「Bi-predual spaces of Campanato spaces and integral operators」と題する講演を行った。日本数学会秋季総合分科会の特別講演に招待され、これまでの研究成果をまとめた「平均振動量が一様でないカンパナト空間とそれに関連する話題」と題する講演を行った。そのほか、9月の日本数学会秋季総合分科会および3月の日本数学会年会において、それぞれ複数の一般講演を行った。また、10月にRIMS研究集会「関数空間を中心とした実解析・複素解析・函数解析の総合的研究」にて1件の講演を行った。以下、今年度に得られた研究成果を列挙する。 古典的な関数空間において確立されている H^1-BMO 双対性および VMO(CMO)-H^1 双対性の理論について、昨年度までの研究により、平均振動量が一様でない関数空間(Campanato 空間)に拡張する理論が完成したが、今年度は、Morrey 空間も統一した理論に拡張する研究を行った。これにより、平均振動量が一様でない関数空間(Morrey-Campanato 空間)の前々双対空間の特徴づけの理論が完成した。また、応用として、この前々双対空間における特異積分作用素および分数べき積分作用素の有界性を証明した。 ユークリッド空間における分数べき積分作用素の L^p-L^q 有界性と関連して、Gagliardo-Nirenberg 不等式が知られている。これを martingale Musielak-Orlicz 空間および martingale Musielak-Orlicz-Hardy 空間に拡張する研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会や研究集会への参加および研究打合せのための出張が、昨年度まではコロナ禍でできなかったが、今年度からは可能となり、直接会って議論することができるようになった。これにより、国内での共同研究が進み、研究成果につなげることができた。おおむね予定していた進捗状況にある。特に、国内で招待講演を行い、多くの研究交流ができたことは、大きな収穫であった。 しかし、中国など海外との直接交流については、まだ難しい面があり、研究打合せを遠隔で行った。その結果、来年度に北京師範大学のグループと遠隔で共同研究を行うプロジェクトが決定した。 調和解析学の原点であるフーリエ級数の収束問題とそれに関連する計算について、かなり進めることができて、結果の蓄積ができてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで長年にわたって研究が積み重ねられてきたフーリエ解析の理論を、平均振動量・増大度が一様でない関数空間の視点から深化させるため、引き続き、H^1-BMO 双対性および VMO(CMO)-H^1 双対性の理論の拡張に関連した研究を進める。特に、高次の Campanato 空間および Hardy 空間の理論の整備に取り組む。また、ナビエ・ストークス方程式等への応用を目指す。確率論におけるマルチンゲール理論を調和解析学の観点から深める研究を行う。さらに、調和解析学の原点であるフーリエ級数の収束問題とそれに関連する計算について、昨年までの結果をまとめていく。 研究分担者や研究協力者との共同研究を進めるため、出張または遠隔で研究打合せ等を行う。日本数学会の年会および秋季総合分科会や、実解析学シンポジウム等に参加して研究成果を発表して意見交換を行い、フィードバックを得て理論の深化と応用に結び付ける。北京師範大学のグループとの遠隔での共同研究のプロジェクトを実施する。
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Causes of Carryover |
研究打合せのための出張が一部できなくなり、旅費として計上していた額が若干残った。次年度の研究打合せのための出張や研究協力者の招へい等に用いる計画である。
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Research Products
(16 results)