2021 Fiscal Year Research-status Report
整化可能な代数構造の代数的グラフ理論による特徴付け及び分類
Project/Area Number |
21K03344
|
Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 哲至 広島工業大学, 工学部, 准教授 (90543728)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗政 昭弘 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50219862)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 代数的組合せ論 / 代数的グラフ理論 / スペクトラルグラフ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度の研究計画では、整化可能整格子の一般化ホフマングラフによる特徴付けを行った。ある整格子の拡大で、従来のホフマングラフでは表せない整化可能整格子のクラスが幾つかある。そのクラスを列挙し一般化ホフマングラフで特徴付けを目指すことは、「グラフ」の言葉で代数構造の性質や構造の詳細を知ることができ、大変意義のある研究である。代数的グラフ理論や代数的組合せ論では、このような代数構造についての研究がなされており、その重要性を確かめることは容易である。 また、Mohar氏らによる有向グラフのエルミート隣接行列の研究がある。 令和3年度では、一般化ホフマングラフを用いて有向グラフ上のセゲディー型量子ウォークにおける遷移行列の型、及び周期的グラフを決定する研究をすすめた。ホフマングラフの大きな特徴はグラフの分解、及びそこから発生する既約性にある。それは逆に言うとある特徴をもったグラフの構成に役立つということである。既約性は最小構造を表し、これ自体でも興味深い対象である。このような周期性をもつグラフの構成手順をホフマングラフを利用することで得られるのであればとても意義のある重要な研究(1件実績あり)である。 また、ホフマングラフついて周知を図る為に説明サイトの作成を目指すことも令和3年度に計画した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記述したように、大きく分けて2つの研究と1つの作業を進めている。 整格子の整化可能性についての研究は先行研究も少なく、その難易度はとても高い。当初予想していた主張に例外が見つかり、令和3年度はその修正をおこなった。また、この領域(整化可能性)における整格子と一般化ホフマングラフをつなぐ、簡単な結果を得た。 また、量子ウォークの性質において周期性は大変興味深いトピックである。この周期性をもつグラフについて、過去に1件成果を出しているが、今回はさらに詳細を求めようと努めた。現在、完全な証明には至っていないが、先行研究のさらに詳細な構成方法を発見した。 なお、ホフマングラフについてのWebサイト作成については、昨今のコロナ禍の中で、先に述べた2つの研究に少々遅れがでていることからスタート時期を令和4年度にずらすこととした。
|
Strategy for Future Research Activity |
整格子の整化可能性については今後も継続して宗政氏と研究にあたる。次年度は計算実験をとおして、ある重要な特徴・性質をもった格子の発見に努めたい。現在までの進捗状況でも述べた整格子を説明する言葉として一般化ホフマングラフを利用し、グラフ由来の格子について分類・特徴づけを行う。 なお、量子ウォークの研究では現在、完全な証明には至っていない主張の証明を完成させ、成果発表を目指す。 またホフマングラフについてのWebサイト作成について作業を始める。
|
Causes of Carryover |
本来予定していた海外出張ができなかった分を令和4年度に行いたい。Cioaba氏(デラウェア大学、USA)との共同研究をすすめる予定である。
|
Research Products
(2 results)