2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K03350
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
新谷 誠 静岡大学, 情報学部, 教授 (70303526)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | グラフ表現 / 分割釣合い型トーナメントデザイン / 平面ハイポハミルトングラフ / アダマール行列 / 自己双対符号 |
Outline of Annual Research Achievements |
最適な組合せ対象(離散構造)の存在性とその対象の分類は、組合せ論において基本的な問題であり、グラフ表現がその解決に強力な方法となる。昨年度は、分割釣合い型トーナメントデザインの存在条件を完全に完成させた。本研究では、平面ハイポハミルトングラフについては、点の個数が18以上40未満の場合の存在性について研究を行うことを2つ目の目的とする。発展課題として、位相空間論の離散化によるグラフ表現の理論的展開を目指す。 平面ハイポハミルトングラフについて再調査を行うと、2017年にGeodgebeur達により点の個数が22以下の場合に存在しないことが示されていた。またハイポハミルトングラフについて、内周が4以上であり点の個数が19以下、内周が5以上であり点の個数が24以下の場合に完全に分類をしていた。この結果を進展させて、内周が5以上であり点の個数が25のグラフが97354個以上であることを求めた。 組合せデザインと関係している符号理論に関して次の研究を行い専門雑誌Designs, Codes and Cryptographyに投稿し受理された。1. 2013年にNebe達は、8を法として5と合同になる素数pについて長さ2(p+1)のternary self-dual codeを求めた。この符号に対して、重み2(p+1)の符号語によりアダマール行列となることを示している。2. 2021年にMiezaki達は ternary (quaternary) near-extremal self-dual codeに対して新しいAssmus-Mattson型の定理を示した。新たな計算方法により精密に調べることで、各符号の重み多項式により良い制限を与えている。 発展課題として、完全グラフの被覆グラフに対して2-被覆、3-被覆、6被覆が系列となる例を求め、グラフ表現の理論的展開も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分割釣合い型トーナメントデザインの存在性についての結果を書き投稿した論文が受理された。 平面ハイポハミルトングラフの非存在を示すことは全探索が必要となるため計算を多く必要とする。2022年度に利用予定であったスーパーコンピュータが半導体不足の影響で納入が遅れ、利用時間が限られていた。その状況において、非平面ハイポハミルトングラフについて内周が5以上であり点の個数が25と内周が6以上で点の個数が26の計算を行うことが出来ており、さらに計算を進めている。 トポロジーの離散化版による、グラフ表現の幾何的理論的展開について、完全グラフの被覆グラフに対して2-被覆、3-被覆、6被覆が系列となる例を求めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
ハミルトン閉路を含まずに任意の一点を取り除いた部分グラフがハミルトン閉路を含むとき、グラフはハイポハミルトングラフと呼ばれる。点の個数が23以上40未満の平面ハイポハミルトングラフの存在性について明らかにする。この範囲では平面ハイポハミルトングラフは非存在であると予想しているので、存在すると仮定して40点以上のグラフが持つ性質を利用して、場合分けによりその存在の可能性を検証する。 トポロジーの離散化版による、グラフ表現の幾何的理論的展開を行う。被覆写像の離散化はグラフ準同型写像において局所的全単射であり、単連結や普遍被覆が定義できる。アダマールグラフから完全2部グラフへの局所的全単射なグラフ準同型写像において、その変換行列からアダマール行列が求められる。ここでは、1979年にDrakeにより有限群の準同型写像を利用することでそれらが成り立つことがわかる。コンピュータによる計算により、完全グラフの被覆グラフに対して2-被覆、3-被覆、6被覆が系列となる例を求めることができている。この性質を一般化してグラフ表現の理論的展開を目指す。
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Causes of Carryover |
2022年度に利用予定であった京都大学のスーパーコンピュータが半導体不足の影響で納入が遅れたため、利用できる期間が短くなり使用料が減少した。研究計画をより円滑に進めるためにプログラム開発用のコンピュータの購入を計画している。また、昨年度は移動制限のために困難であった研究発表と研究打ち合わせのための旅費として利用する。
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Research Products
(3 results)