2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K03369
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
深澤 正彰 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (70506451)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 計量ファイナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
1)フィルター付き確率空間におけるキュムラント再帰公式によって、オプション市場価格高頻度データから原資産価格分布のキュムラントに関する情報が得られる。フォワード・バリアンスモデルはこの再帰公式の2次の場合を利用したマーケットモデルと見なすことができ、高次キュムラントの再帰公式によってファワード・バリアンスモデルをより精緻化する方向へ拡張できる可能性がある。本年度においては特にアファイン・ボルテラ過程に対してキュムラント再帰公式を適用して得られる漸化式について研究を進めた。アファイン・ボルテラ過程においては任意の次数のキュムラントが存在することを示し、また適当なスケール極限によってジャンプ型のアファイン・ボルテラ過程がアファイン・フォワード・バリアンスモデルに有限次元分布収束することをキュムラント再帰公式を用いて証明した。 2)SPX オプション市場価格日次データを用いてインプライド・ボラティリティ・スキューの期間構造に対する冪乗則を検証した。冪乗則がほぼ毎日高い精度で当てはまることを確認する一方、直近満期のスキューが冪乗則から外れるという関連研究の主張にも一定の根拠があることを認めた。 3)ラフ・ベルゴミモデルを拡張して、SPX オプションと VIX オプション市場価格データの両方に整合性のあるモデルの構成を試みた。VIX オプション市場価格データにおいて観察されるスキュー形状を定性的に再現することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
オプション市場価格データの要約統計量が定まらず高頻度データ解析理論の構築まで進めていない。
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Strategy for Future Research Activity |
インプライド・ボラティリティの新たな補間・補外法によってキュムラントを計算し、これを要約統計量として統計モデルを構成する。
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Causes of Carryover |
研究進捗が遅れたため。予定通りデータ整備と成果発表に使用する。
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[Book] Rough Volatility2023
Author(s)
Peter K. Friz (Author, Editor), Christian Bayer (Author, Editor), Masaaki Fukasawa (Author, Editor), Jim Gatheral (Author, Editor), Mathieu Rosenbaum (Author, Editor), Antoine Jacquier (Author, Editor)
Total Pages
291
Publisher
SIAM
ISBN
978-1611977776