2023 Fiscal Year Research-status Report
非正則な高次元データの標本分布の近似の高精度化とその応用
Project/Area Number |
21K03371
|
Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
山田 隆行 京都女子大学, データサイエンス学部, 教授 (60510956)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 高次元データ / 極限理論 / 変数選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は研究課題の関連研究として, 次に述べるKOO原理に基づく変数選択法について成果が出たのでそちらを公表することに注力した. KOOの原理による変数選択法とは, 着目している変数の選択・非選択を, 各変数について,その変数を除いたモデルの下で算出した変数選択基準量と全変数の下で算出した変数選択基準量に基づいて選択・非選択を決める方法である. 非ゼロな偏相関係数の選択問題について, 選択したモデルが真に非ゼロな偏相関係数であるモデルと一致する確率が変数の数と標本サイズを共に大きくしていったときに1に収束するという高次元漸近枠組みでの一致性を示した. 以下この一致性を示した2種類の基準について記述する. まず, 情報量基準の代わりとして距離に基づく基準(DIC)と相関係数のFisher z 変換を行ったものを基に距離を求めた基準(ZIC)を提案し, 共にKOO法による選択が一致性が成り立つことを示した. 以上をカナダのオタワで開催された 64th ISI World Statistical Congress のポスターセッションにて発表している. 次に, BIC(Baysian information criterion)基準に対してKOO法を用いた場合に, 選択したモデルが真に非ゼロな偏相関係数であるモデルと一致する確率が変数の数と標本サイズを共に大きくしていったときに1に収束するという高次元漸近枠組みでの一致性を示した. また, BIC基準のペナルティー項である標本サイズの対数を補正することでより緩い条件で上記の一致性を示すことにも成功している. 数値実験にて後者の選択法が真のモデルを選択する精度について優れることを確認した. 以上の結果オーストラリアのシドニーで開催されたIASC-ARS2023にて発表し, 現在論文にまとめて投稿中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題である高次元漸近枠組みでの分布の漸近展開については導出する意義があると考えるケースについては昨年度までに成果は報告している. 他の場合にも応用できるか検討する中で関連研究の変数選択法についての研究のアイディアが得られた.そのため本来の漸近展開の成果を出すのが滞っている.
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題である高次元漸近枠組みでの分布の漸近展開については導出する意義があると考えるケースについては昨年度までに成果は報告している. 他の場合にも応用できるか検討する中で関連研究の変数選択法についての研究のアイディアが得られた.次年度は漸近展開のアイディアを変数選択に反映させて研究を推進させたい.
|
Causes of Carryover |
コロナの関係で1年目と2年目が思うように海外での情報収集および研究成果の発表ができず, それらを最終年度をして予定していた3年目に使用しきれなかったため.
|