2023 Fiscal Year Research-status Report
パラメーターを含む代数制約式に対する効率的なアルゴリズムの開発
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21K03375
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐藤 洋祐 東京理科大学, 理学部第一部応用数学科, 教授 (50257820)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | パラメーター / Border basis / CGS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、効率的な Parametric Border Basisの計算アルゴリズムを構築することを第一の目標としている。その際、分割部の個数を最小限に抑え、かつシンプルになるようなCGS(Comprehensive Groebner Basis)を計算するアルゴリズムの開発が重要になる。2023年度は、2022年度までに開発した分割部を構成するパラメーターの非等式に着目したCGSの計算アルゴリズムを利用したParametric Border Basisの計算アルゴリズムを開発した。具体的には、非等式を構成する多項式がなすイデアルによる飽和イデアルの根基を計算することで、従来のアルゴリズムで計算されるParametric Border Basisよりも遥かにシンプルでかつ分割部の個数が少ないParametric Border Basisが得られることを理論的に保証する定理をいくつか証明した。 これらの定理に基づいてのParametric Border Basisの計算アルゴリズムの実装を計算機代数システムSageMath上で行い、計算実験を通じてアルゴリズムの有効性を確認した。得られた理論は未完成ではあるものの、その有効性は実証されたので、7月にポーランドのワルシャワで開催された国際会議ACA2023(Application of Computer Mathematics2023)において発表した。さらに、これらの成果を論文として執筆し、JSSAC(Japan Society for Symbolic and Algebraic Computation)の学会誌に投稿した。 昨年度はさらに、いくつか仮説を提唱した。これらがすべて証明されれば、理論が完成されることになるが、成り立たないことが判明した場合は、来年度以降に理論の修正を行なう必要性が生じることになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論的な成果が得られたが、論文として出版されるにはいたっていない。 また、実装したプロトタイププログラムは効率性をあまり考慮していないので、さらにチューンナップしたものを作成し、計算実験をおこない、われわれの理論のさらなる有効性を確認する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
CGSの計算アルゴリズムをさらに改良し、効率的なParametric Border Basisの計算アルゴリズムを構築するための理論を整備する。 これらの成果をベースとして、SageMath上でのParametric Border Basisの計算アルゴリズムの実装を改良する。
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Causes of Carryover |
参加予定だった研究集会が中止になり次年度に繰越延期になったため、旅費の確保が必要になった。 次年度は旅費として使用する他、プログラムの実装のための環境の整備のための費用として使用する。
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