2022 Fiscal Year Research-status Report
Principles that determine the bounds on quantum nonlocality and uncertainty
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21K03389
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石坂 智 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 教授 (10443631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠中 憲之 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 教授 (70363009)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 量子化条件 / ベル不等式 / ベルの実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子非局所性を表す実験、いわゆるベルの実験において、最も簡単と言われているものがある。アリスとボブの測定が最も簡単だからそう呼ばれるのだが、具体的には、アリスとボブは2つの測定器を持ち、それぞれの測定器ばバイナリの測定値を返すものである。ところが、最も簡単であるにもかかわらず、その際の量子化条件は分かっていない。量子状態が最大にエンタングルした状態であれば、解析的に量子化条件は分かっているものの、エンタングル状態が部分的にエンタングルしている場合の解は全く分かっていない。もし量子化条件が分かれば、量子非局所性の原理的な最大値が何によって決まるのかが分かるとされ、大変に興味深い。これに対して我々は量子化条件のコンジェクチャを持っている。不確定性に関係した量で非常に面白いが、ここではまずコンジェクチャが数学的に厳密に正しいことを示す。 はじめ、量子化条件に近いところで、いつも近似的に量子化値が得られていることに着目した。しかし、このような数値計算を基にした方法ではどこかで近似が入ってしまい、どうやっても上手くいかない。結局、厳密に正しさを追う今回の目的にはそぐわないと言わざるを得ない。そこで次に、各量子化条件の性質に着目し、各条件が2次元空間で凹性をもっていればよいことを突き止めた。あとは2次元空間で凹性を持つことを証明すれば、コンジェクチャの必要性は厳密に正しいことが言える。その後引き続き、コンジェクチャの十分性の証明に入る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度、コンジェクチャの必要条件の証明に入るが、これまでの進捗状況は遅れているといわざるを得ない。一度、証明の方法を変えたからとはいえ、はじめの研究計画に甘さがあったと言わざるを得ない。今後は新しい研究計画に則り、スピードアップを図る。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、いままでの研究計画が一部問題があったと判明した為、研究計画をすみやかに置き換え、新しいものに沿ってやっている。今後、スピードアップを図る。
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Causes of Carryover |
成果発表に係る費用に重点的に予算を使う計画だったが、成果が思ったように出なかった為、予算執行が遅れている。現在、成果がでるように研究計画を変え、スピードアップを図っている。
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