2021 Fiscal Year Research-status Report
Thermodynamic study on FFLO states and spin density waves in unconventional superconductivity
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21K03443
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田山 孝 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (20334344)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非従来型超伝導 / SDW秩序 / FFLO相 / 元素置換効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は非従来型超伝導体CeCoIn5のInサイトをNdで置換したNd置換系Ce1-xNdxCoIn5の単結晶試料育成、試料評価およびDC磁化測定を主に行った。単結晶試料はIn自己フラックス法により育成し、Nd置換濃度0,5,10,15,20,30%の6種類を作成した。試料の形状はいずれも板状で試料長はa軸方向が2mm程度、c軸方向が0.2mm程度で、質量は2~5mgで、かなり小さな単結晶試料であった。 試料評価は粉末X線回折、単結晶X線回折、電子線マイクロアナライザー(EPMA)の実験を行った。粉末X線回折の結果からは、いすれの試料もCeCoIn5と同じ正方晶HoCoGa5型の結晶構造であることが確認された。ただし試料にはInとCeIn3が不純物として含まれていることもわかった。しかし割合としてはかなり小さかったことから本研究には影響がないものと考えている。つぎにEPMAの画像から試料の表面は均一であることが確認された。またEPMAの定性分析からはCeとNdの合計を1としたとき、CoとInの割合が仕込み時のものより10%から20%程度少ない値が得られた。この結果については今後検討する予定である。 DC磁化測定は磁気特性測定計MPMS-7(米国カンタム・デザイン社製)を用いて行い、おおよその低温磁化の振る舞いを確認した。その結果、超伝導転移温度はNd濃度の増加とともに単調に減少し、磁化の大きさもNd濃度の大きさともに系統的に変化していることがわかった。これらの結果から、期待どおりのNd置換系の単結晶試料ができているものと判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に本研究に必要不可欠なNd置換系の単結晶試料の育成ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の予定としては、作成したCe1-xNdxCoIn5の単結晶試料を用いてキャパシタンス法による極低温での磁化および熱膨張・磁歪測定を行い、それぞれのNd置換濃度の磁気-温度相図を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
残高が少額であったため、今年度に無理に使用せず来年度に有効に使用しようと思ったため。
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