2021 Fiscal Year Research-status Report
Machine-learning-assisted design of multilayer films involving spin-orbit-induced magnetic, transport, and optical properties
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21K03444
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中村 浩次 三重大学, 工学研究科, 教授 (70281847)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 人工多層薄膜 / スピン軌道相互作用 / 第一原理計算 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.全電子フルポテンシャル線形化補強平面波法(film-FLAPW法)のプログラム開発を行った。ここでは、磁気ダンピング定数やスピン軌道トルクを求める第一原理計算プログラムを第二変分法に基づき開発してきた。後者に関しては来年度も継続する。また、薄膜や界面の欠陥を取り扱うために欠陥の生成やマイグレーションを取り扱うことができるNudged Elastic Band(NEB)法や角度依存X線磁気円二色性(XMCD)の計算プログラムを開発した。 2.3d強磁性金属や5d重金属を含む人工多層薄膜に対して様々な積層配列を持つ人工多層薄膜の構造の構造最適化を行った。具体的には、MgO上のCoFe多層膜モデルに対して、MgO(001)上のFe2原子層積層が垂直磁気異方性を導く一つのキー構造であること、この積層によりフェルミエネルギー近傍でdxz,yz軌道の状態数が増加することがわかった。引き続き、同多層膜モデルに対して、磁気ダンピング定数の原子層配列依存性を調べた結果、MgO界面上の原子層配列制御により高垂直磁化と低磁気ダンピングを実現する薄膜設計が可能であることが示唆できた。 3.3d強磁性金属Coと5d重金属(Ta,W,Re,Os,Ir,Pt)の2層薄膜に対して、角度依存磁気抵抗効果(ADMR)、スピンホール伝導度(SHC)、異常ホール伝導度 (AHC)を系統的に調べた。ADMRでは、5d重金属種の依存性やPt薄膜の膜厚依存性を定性的に再現した。SHCでは、Co/5d重金属薄膜のSHCの符号が5d重金属のバルク値と同一傾向にあり、これは2層薄膜系においても価電子数によって整理できること、AHCにおいてもCo/W,Co/Ir,Co/Ptにおいて大きなAHCが得られるなど、5d重金属の原子種選択が重要であることわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究目的を達成させるための第一原理計算手法プログラムの開発を予定通り進めている。特に、磁気ダンピング定数や角度依存XMCDを求めるための大容量・高速計算が可能となった。また、NEB法の導入により、表面や界面の欠陥の取り扱いが可能となった。材料設計に関しても、上記開発した計算プログラムにより様々な積層配列を仮定した構造のデータを収集することができた。積層配列に対する磁気的性質の理解においても、機械学習の支援により、系統的に整理することができた。以上のことから順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、第一原理計算手法のプログラムを開発する。スピン軌道トルクを求める第一原理計算プログラムの開発を継続する。NEB法やXMCD法のプログラムにおいては計算の大容量化・高速化のための並列化を実施する。その他、酸化物等の強相関系材料も対象にしているが、補正(オンサイトクーロン相互作用補正+U等)が必要になってくるため、機械学習を利用して、パラメータUの導出方法について検討する。引き続き、3d強磁性金属と5d重金属を含む様々な人工多層膜の構造最適化を進め、スピン軌道相互作用が絡む磁気・伝導・光物性に関する物理的性質のデータを収集する。また、欠陥を含む構造(例えば、不純物を含むNV中心ダイヤモンド等)のデータも収集する。一方、第一原理計算には膨大な計算コストを要するため、機械学習を利用して、少数のデータで材料設計が可能なスモールデータ駆動型材料設計手法の開発にも取りかかる。
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Causes of Carryover |
理由:新型コロナ感染防止のため出張費を使用しなかったため。 使用計画:計算機消耗品を購入する。また国内会議・国際会議で研究成果を発表するための旅費に使用する。
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Research Products
(21 results)