2023 Fiscal Year Annual Research Report
Magnetotransport properties of topological materials with nontrivial magnetic structure
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21K03454
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
鈴木 健士 東邦大学, 理学部, 講師 (80564947)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | トポロジカル半金属 / 磁化プラトー / 磁気輸送特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
線形分散する電子バンドの交差点をフェルミ準位近傍に持ち,かつ低温で磁化プラトー状態を示す磁性ワイル半金属RAgGe (R = 希土類)の単結晶試料を金属フラックス法により育成し,磁化測定及び磁場下における輸送係数の測定を行った. 基底状態としてkagome ice型の磁気秩序を持つHoAgGeにおいては,常磁性相-磁気秩序相間の転移,及び磁化プラトー間の遷移において電気抵抗率の急峻な増大が観測された.これは,磁性転移及び磁化プラトー間遷移近傍において,スピン及び磁気的なドメインの揺らぎが増大する事によりキャリアが強く散乱されたためと解釈される結果である.また,磁化プラトー間の遷移に伴い符号変化も含むホール係数の変化も観測された.これは,交換分裂により磁性状態と電子バンド構造が結合しており,磁化プラトー間の遷移に伴ってリフシッツ転移が起こった結果であると考えられる. また,基底状態に強磁性成分を有する磁気秩序をとるDyAgGeにおいても,HoAgGeの場合と同様,磁化プラトー間の遷移に伴いの電気抵抗率の増大が観測され,スピン及び磁気ドメインの揺らぎに起因した磁気抵抗効果は磁化プラトー系に共通する物理的描像である事が明らかになった.これに加え,DyAgGeにおいては特定の磁化プラトー間の遷移において,ホール抵抗率がピーク状の増大を示す事が明らかとなった.このホール抵抗率の異常はドルーデモデルに基づくキャリア散乱時間の磁場依存性では説明する事ができず,磁化プラトー間の遷移で現れるDyAgGe固有の非自明な磁気構造がキャリアと結合し,内因性のメカニズムにより生じたホール効果である事が示唆される.
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[Journal Article] Three-dimensional flat bands in pyrochlore metal CaNi22023
Author(s)
Wakefield J. P., Kang M., Neves P. M., Oh D., Fang S., McTigue R., Frank Z. S. Y., Lamichhane T. N., Chen A., Lee S., Park S., Park J., Jozwiak C., Bostwick A., Rotenberg E., Rajapitamahuni A., Vescovo E., McChesney J. L., Graf D., Palmstrom J. C., Suzuki T., Li M., Comin R., Checkelsky J. G.
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Journal Title
Nature
Volume: 623
Pages: 301~306
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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