2022 Fiscal Year Annual Research Report
タングステン合金の照射誘起高靭性化に資する組織形成機構の解明
Project/Area Number |
21K03505
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
宮澤 健 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 高速炉・新型炉研究開発部門 大洗研究所 高速炉サイクル研究開発センター, 研究職 (00733726)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 核融合ダイバータ / タングステン / 二元合金 / 照射損傷 / 微細組織 / 照射硬化量 |
Outline of Annual Research Achievements |
中性子照射環境下においては、熱中性子によってW中に固体核変換元素としてReとTaが生成することで、機械特性が変化する。そこで、Wの固体核変換元素の生成量に寄与する熱中性子遮蔽の有り、無しの環境にて中性子照射された純WとW合金における微細粒層状組織の熱的安定性、照射欠陥集合体と核変換生成物によるナノクラスター形成を評価することで、照射誘起高靭性化に関する材料強化メカニズムを明らかにすることを目的としている。 2022年度では、中性子照射による固体核変換元素の生成を排除して添加元素の影響を評価するために加速器によるプロトン照射と自己(W)イオン照射を用いて、ReとTaのいずれかを添加した二元W合金の照射損傷による微細組織発達に関する研究を学術雑誌に論文投稿し、受理された。 また2022年度では、HFIR-19Jの熱中性子遮蔽化キャプセル内で中性子照射したW合金の照射硬化量と電気抵抗率を評価した。Re量の増加に伴って電気抵抗率は増加することが分かっている。HFIR-19Jの熱中性子遮蔽キャプセルにおいて核変換で生成する Reは 1%以下と推定されていたが、電気抵抗率測定でもほぼその程度の Re 量であることが示唆された。照射硬化量は照射温度によって顕著に変化した。1100℃照射では、照射前の組織の回復・再結晶の一方で照射欠陥集合体の形成も起こっていることが示唆された。 2023年度が最終年度であるが、研究代表者が転職して業務内容が変更したことに伴い、本研究課題の補助事業を廃止することに至った。そのため、当初計画していた中性子照射材の微細粒層状組織の熱的安定性やナノクラスター形成の評価項目は実施できなかった。
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Research Products
(2 results)