2022 Fiscal Year Research-status Report
プラズマダイナミクスシミュレーションによる乱流輸送予測検証
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21K03514
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
登田 慎一郎 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (60332186)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プラズマ輸送 / トロイダルプラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
核融合エネルギー実現には、トロイダルプラズマでの乱流輸送の定量的予測は、最も重要な課題の一つである。 大型ヘリカル装置(LHD)での、運動論的電子の条件下での非線形ジャイロ運動論解析結果を再現する電子、イオン熱拡散係数モデルと粒子、熱輸送の準線形流束モデルが提唱している。このとき、イオン温度勾配(ITG)モードが考察されている。準線形流束モデルは輸送シミュレーションにモデル化して結合させることができない。なぜなら、準線形流束モデルは揺動ポテンシャル揺動と温度揺動もしくは密度揺動の位相差に依存し、温度、密度勾配により、モデル化することが難しいからである。 本研究では、電子運動についてジャイロ運動論方程式を解析した場合の、簡約化モデル(熱拡散係数モデル、準線形流束モデル)を、ジャイロ運動論線形シミュレーションにより、輸送解析に直接結合させた。輸送ダイナミクス解析により、定常状態の電子、イオン温度分布が得られた。統合コードによる動的な輸送シミュレーションにおいてそれぞれの時間ステップごとに、ジャイロ運動論コードにより線形成長率が計算される。電子、イオン温度分布に関するシミュレーション結果は実験結果と矛盾しない。乱流、新古典輸送の定常分布について考察した。この時、ほぼ全領域で新古典輸送が、乱流輸送と比べて優位である。簡約化モデルと結合して、輸送シミュレーションにより得られた電子、イオン温度分布は、線形成長率をイオン温度勾配長で付加的なモデリングをしたシミュレーション結果と比較された。 捕捉電子モードにおけるジャイロ運動論解析を始めた。このとき、電子はバナナ領域であり、イオンは衝突領域である。2種類の衝突モデル演算子を用い、帯状流の乱流に対する影響を調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イオン温度勾配モードが励起している場合に、統合コードにジャイロ運動論モデルを組み込んだコード群を開発することができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
トカマクプラズマでの、捕捉電子モード不安定性が励起している時の簡約化モデルの構築を進める。2種類の衝突モデル演算子を用い、帯状流の乱流に対する影響を、線形解析結果と非線形解析結果において調べる。線形解析結果と非線形解析結果は、簡約化モデル構築の際の基礎になる。
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Causes of Carryover |
コロナ対策のため、国内出張ができなかった。2023年度は国内出張については、計画通り行う予定である。
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Research Products
(6 results)