2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on optimized configuration of helical fusion reactor to mitigate impurity accumulation
Project/Area Number |
21K03517
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
佐竹 真介 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (70390630)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多目的最適化 / 核融合炉 / 不純物輸送 / 新古典輸送 / MHD安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
不純物の自発的な吐き出しが観測されているLHDの「不純物ホールプラズマ」に対して新古典輸送シミュレーションを行い、プラズマ中心の温度勾配の上昇が外向きの不純物吐き出しの駆動力になっていることを発見した。また、LHDで不純物ホール実験を行い、中心部の径電場の詳細な計測を行った。この実験結果に対して、2022年度に引き続きシミュレーションによる解析を行い、新古典輸送シミュレーションコードの妥当性検証を進める。 最適化磁場配位の研究を進めるため、LHD型の閉じ込め装置のヘリカルコイルの巻き線形状を様々に変化させ、MHD平衡磁場配位を自動計算するプログラム群の整備を進めた。コイル形状に自由度が増すと最外殻磁気面の形状が複雑になり、自動的に最外殻磁気面を同定することが難しくなる。そこで、磁力線を追跡して作成したポロイダル断面におけるポアンカレ写像の点列をアニーリング法により最短経路を結ぶ一筆書きの点列に整列され、それらの入れ子関係により閉じた磁気面を同定し、さらに情報エントロピーを用いた滑らかさの判定法によって滑らかな最外殻磁気面を自動判別する手法を開発した。更に、磁場配位の形状に自由度が増すと、内側に大きな磁気島領域を持つ平衡磁場が出来てしまう場合があり、これは最外殻磁気面形状だけでは判別できない。そこで、画像認識の機械学習を用いて、大きな磁気島を内側に含む磁場配位を判定する手法を指導学生と共同で開発した。上記の様々な磁場配位を生成するコードから判定用の教師データを多数作成し、機械学習にデータを学習させるところまで進んだ。この他、最適化の目的関数の一つである、MHD線形安定性について生成した磁場配位から自動的に評価できるところまでコード開発は進んだ。 この他指導学生と共同で、新古典輸送シミュレーションにおいて、フラックスの内訳を駆動力ごとに分解して評価する手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
様々な磁場配位の生成プログラムにおいて、最外殻磁気面の自動判定の手法の開発に想定外に時間を要した。しかし結果的に試行錯誤の上、情報エントロピーによる滑らかさ判定という新しい手法の発案・開発に至った。 この開発に時間が掛かったため、2021年度中に着手する予定であったLHDプラズマ実験結果を用いた、不純物新古典輸送と径電場のシミュレーション計算の妥当性検証が遅れているが、2022年度中に完了させる予定で実験データの解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
磁場配位生成プログラムがほぼ完成したので、様々な磁場配位をコイル形状を変えて生成し、MHD安定性と新古典輸送に関する教師データの作成を進める。また、LHD実験結果の解析を進めて、本研究の目的である「正電場になりやすい磁場配位」「不純物イオンの吐き出されやすい磁場配位」の実験的検証を進めると共に、「新古典輸送の低減」と「MHD安定性」の両立したヘリオトロン方式の磁場配位の探求を、機械学習による多目的最適化問題として研究を進める。
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Causes of Carryover |
機械学習用のGPUサーバの調達において当初想定していた価格との差が生じたため。国内学会の参加費や、研究関連書籍の購入に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)