2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K03614
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
斎藤 貴之 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (40399291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平居 悠 東北大学, 理学研究科, JSPS特別研究員(CPD) (60824232)
藤井 通子 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90722330)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 球状星団 / 組成異常 / 銀河形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙論的銀河形成シミュレーションを通じて星団形成過程を再現し、星団内部の金属量分布の成立要因についての研究を行うためのシミュレーションコードの拡張をおこなった。粒子分割の導入、フィードバックモデルの更新、化学進化モデルで用いるイールドテーブルの更新、また化学進化イベントのタイムスケールの修正などを行った。このモデルを用いて予備的な銀河形成シミュレーションを行い、形成されるサブクランプの構造や化学進化について調べた。採用したイールド(Limongi & Chieffie 2018)の性質上、低金属環境で星風により Na がよく放出される。低金属量分子雲において星風汚染による金属量進化で観測的に星団で見られる Na-O 逆相関を作ることができる。このイールドの場合は、金属量が大きくなると(Z> 0.001Zsun)星風で放出される O が Na よりも多くなり、逆相関を作るのは難しい。低金属量からの自然な星団形成条件を再現できると期待される宇宙論的銀河形成シミュレーションを用いて銀河ハローの中にできるサブハロー内部の星粒子の集合の金属量分布を調べた。現状数は少ないが、低質量のサブハローの中に、1Gyr以下の短い星形成史を持つものがいて、それらのメンバーの金属量分布では、Na-O 逆相関のような分布ができる。しかし、超新星爆発等による汚染により、相対的に [Na/Fe] の多いメンバーを持つことができていない。今後分解能を高くしていくことで、より低質量でより短く鋭いピークをもつ星形成史をもつ星粒子の集団が形成される期待される。それらの内部金属量分布について今後調べていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まだ十分な分解能を持つシミュレーションが進んでいないが、現在行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
星団領域を分解する宇宙論的銀河形成シミュレーションを行い、そこでできる星団の化学進化についての研究を行う。
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Causes of Carryover |
ストレージ購入するのにやや不足した。次年度予算と合わせてストレージを購入する。
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[Presentation] 次世代銀河形成シミュレーションへ向けて2021
Author(s)
斎藤貴之,行方大輔,岩澤全規,平居悠,細野七月,野村昴太郎,坪内美幸,牧野淳一郎,岡本崇,藤井通子,平島敬也
Organizer
第15回アクセラレーション技術発表討論会「富岳による高度科学技術計算」
Invited
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