2022 Fiscal Year Annual Research Report
Kinetic modeling of particle acceleration in solar flares
Project/Area Number |
21K03627
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
銭谷 誠司 神戸大学, 都市安全研究センター, 特命准教授 (10623952)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プラズマ粒子シミュレーション / 磁気リコネクション / カッパ分布 / 相対論的カッパ分布 / Buneman-Boris法 / Hyper Boris法 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽フレアによる粒子加速現象を理解するため、超並列対応のプラズマ粒子シミュレーションコードを用いて基礎問題をセットアップし、テスト計算を実行した。そして、コードの動作を確認し、磁気リコネクションに伴って一定量の電子の加速・加熱が生じることを確認した。引き続き、初期データの解析とより大規模な計算の準備に取り組んでいく。関連して、相対論的磁気リコネクションに伴う粒子加速問題にも取り組み、磁気流体近似で表すことのできない非理想電場が重要な役割を果たすことを明らかにした。 太陽フレアを含む太陽圏プラズマ研究では、熱的なマクスウェル分布と高エネルギーのべき乗成分を統一的に扱う「カッパ分布」という速度分布関数を扱うことが多い。しかし、カッパ分布を粒子シミュレーション内で準備する方法はあまり知られていなかった。そこで我々は、カッパ分布(=多変量t分布)を乱数生成するアルゴリズムに加えて、カッパ分布を相対論的エネルギーにまで拡張した「相対論的カッパ分布」を乱数生成するアルゴリズムを考案した。さらにCanfield (1987)のアルゴリズムを改良した「修正Canfield法」を開発し、相対論的マクスウェル分布などの相対論的速度分布の生成効率を向上することに成功した。プラズマ粒子シミュレーションの根幹である粒子の運動方程式部分でも、標準解法である「(Buneman-)Boris法」をn回のサブサイクリングとN次の高次精度化を組み合わせて大幅に高精度化する「Hyper Boris法」を考案した。著者の異動などのため準備が遅れたものの、Hyper Boris法についての論文を近日中に論文投稿する予定である。
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Research Products
(12 results)