2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K03630
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北井 礼三郎 立命館大学, 法学部, 非常勤講師 (40169850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一本 潔 立命館大学, 理工学部, 授業担当講師 (70193456)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 太陽物理学 / 大気加熱 / 太陽磁場 / プラージュ |
Outline of Annual Research Achievements |
京都大学飛騨天文台のドームレス太陽望遠鏡を用いて太陽の微細構造を観測することは、2023年7月に実施した。活動領域NOAA13379内のプラージュ領域の単色像を高速度撮像システムを用いて撮影し、スペックルマスキング法を適用して待機乱れによる画像乱れの補償を行い良好な結果を得た。この際の結果の紹介と、撮像および画像回復における問題点を2023年度のDST利用者会議で報告した。 米国ハワイにあるDKIST望遠鏡を用いた観測プロジェクトは、2次元分光を行う挑戦的なもので、採択後実施待ちの状況である。 上記二つの観測プロジェクトに加えて、2023年度は、中国国家天文台(北京)のZhang博士と米国BBSOで実施された観測の解析を共同で行った。対象は、黒点を分割する細い構造であるLight Bridgeと呼ばれる場所で発生したガス噴出現象(サージ)とLight Bridge部の光球層で現れる微細粒状斑の動きとの相関を調査解析することであった。結果として、(1)Light Bridgeには、微細粒状班の集団(GG)が時々発生する。(2)そのGG発生が切っ掛けとなって上空に向けてガスが噴出してサージが発生する。(3)Light Bridge上空のコロナには捩じれた磁力管構造が存在している。(4)この磁力管には自由エネルギーが蓄えられていて、GG発生が切っ掛けとなって、コロナ中で磁気再結合現象が起動されてサージとなる。以上のことが結論として得られた。この成果は、現在Astronomy&Astrophysicsに論文を投稿審査中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
飛騨天文台DST望遠鏡における観測で順調にデータが取得できている。
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Strategy for Future Research Activity |
京都大学飛騨天文台DST望遠鏡での観測研究を継続する。また、米国DKIST望遠鏡で得られる予定の2次元分光観測の解析を実施する。合わせて、成果を論文にまとめ公表する。
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Causes of Carryover |
2023年度に代表研究者がコロナ罹患したため、飛騨天文台への出張が不可であったことと、それに伴うデータ保存用の消耗品を使用しなかったため。 次年度は大量画像データが新規に得られる予定であるので、この金額を用いて、データ保存用のHDDやPC、モニターを購入しデータ処理にあたることを計画している。
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