2022 Fiscal Year Research-status Report
Understanding starburst phenomena by ALMA wide-frequency band molecular line survey
Project/Area Number |
21K03634
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
原田 ななせ 国立天文台, 科学研究部, 助教 (10785421)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スターバースト銀河 / 電波天文学 / ALMA / 星間化学 / 近傍銀河 / 星形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は近傍の星形成が活発な銀河の分子組成を調べ、そこから星の材料である分子ガスの物理条件を明らかにすることを目的としている。アルマ大型プログラムの一つALCHEMIというプログラムのデータを用い、多数の分子輝線の統計的研究を主成分分析(PCA)を用い行う計画である。そこからどの分子輝線でどういった物理条件をトレースすることができるのかを調べることにより、良い分子輝線のトレーサーを探し出し、それを他の銀河の観測などに応用することが期待できる。この統計的研究を進める中で衝撃波が予測される領域でHOCO+(プロトン化された二酸化炭素)という分子の量が予期せず増えていることを発見した。研究計画のうちの2年目にあたる2022年度はこの分子について主著論文を発表した。この分子が衝撃波の起こるところで増えることは今まで知られていなかったが、他の衝撃波トレーサーと非常に良い空間的分布の相関があることがわかった。また、こうしたプロトン化された二酸化炭素が増えることは衝撃波によって二酸化酸素の氷が昇華し、さらにそれにプロトンがついたことで説明ができる。文献から二酸化炭素の氷の量も調べることができるため、かなりの量の氷が衝撃波によって昇華されていることがわかった。
また、本来の目的であった、多数の輝線強度図から主成分分析という統計的研究をする計画では多数の分子の分布の中にどういった物理的条件を持つ領域(成分)がどれだけあるかを調べることができ、衝撃波の由来や星形成の年齢に関連する興味深い結果が得られてきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルマ大型プログラムALCHEMIの積分強度図を用い主成分分析を行う中でHOCO+という分子が予期せずに衝撃波トレーサーと非常によく似た分布をすることがわかった。この分子は二酸化炭素がプロトン化されたもので、二酸化炭素氷が衝撃波によって昇華されたものがプロトン化された可能性が高いという結果を得ることができた。そしてこの結果を Harada et al. (2022) The Astrophysical Journal 983, 80として発表することができた。また、当初の計画である主成分分析に関しても論文を順調に準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は今行っている統計的研究の論文を早急に出版する。また、それらで得られてきた紫外線の影響や宇宙線の影響などによると考えられる輝線強度の変化について化学モデルと放射輸送計算を合わせたモデルにより解釈する研究に着手する。
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Causes of Carryover |
令和5年5月に開催される研究会(New Eyes on the Universe: ngVLA and SKA; カナダ)に招待講演者として参加するための出張経費に利用する。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Diverse Molecular Structures Across The Whole Star-Forming Disk of M83: High fidelity Imaging at 40pc Resolution2023
Author(s)
Koda, Jin ; Hirota, Akihiko ; Egusa, Fumi ; Sakamoto, Kazushi ; Sawada, Tsuyoshi ; Heyer, Mark ; Baba, Junichi ; Boissier, Samuel ; Calzetti, Daniela ; Donovan Meyer, Jennifer ; Elmegreen, Bruce G. ; Gil de Paz, Armando ; Harada, Nanase et al.
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] ALCHEMI Finds a “Shocking” Carbon Footprint in the Starburst Galaxy NGC 2532022
Author(s)
Harada Nanase、Martin Sergio、Mangum Jeffrey G.、Sakamoto Kazushi、Muller Sebastien、Rivilla Victor M.、Henkel Christian、Meier David S.、Colzi Laura、Yamagishi Mitsuyoshi、Tanaka Kunihiko、Nakanishi Kouichiro、Herrero-Illana Ruben、Yoshimura Yuki、Humire P. K.、Aladro Rebeca、van der Werf Paul P.、Emig Kimberly L.
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 938
Pages: 80~80
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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