2021 Fiscal Year Research-status Report
電離圏磁場と電子密度の波状構造を生成する下層大気擾乱の特定と生成過程の解明
Project/Area Number |
21K03643
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
家森 俊彦 京都大学, 理学研究科, 名誉教授 (40144315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 昭則 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10311739)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大気と熱圏のカップリング / 垂直音波共鳴 / Swarm衛星 / トンガ海底火山噴火 / GPS-TEC変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 下層大気擾乱の指標としてJAXA/GSMaPによる全球降雨推定量を用いて、Swarm衛星が観測した地磁気の微小擾乱(磁気リップル)の全球振幅分布、および、電離圏電子密度の微細変動と比較し、降雨との有意な相関を見いだした。結果は、オンライン開催された2021年6月のJpGU2021大会および2021年11月のSGEPSS講演会・総会で発表するとともに、EPS誌に投稿し、採択・出版された。 2.タイ・Phimaiおよびトカラ・中之島で取得した気象・地磁気・GPSデータとJAXA/GSMaP全球降雨推定値を用いて、GPS-TEC(電離圏全電子数)データに見られる短周期変動と地上気象観測データおよび降雨推定値を比較し、降雨とTEC変動の振幅に明らかな相関のあることを明らかにした。この結果はEPS誌に投稿し、採択・出版された。JpGU2022大会でも発表する予定。 3.2022年1月15日のトンガ海底火山噴火に伴う地磁気微細震動およびGPS短周期変動について解析し、垂直音波共鳴による沿磁力線電流の生成を確認した。また、その沿磁力線電流に伴う電場が、ハワイ付近の反対半球に伝搬し、電離圏の電子密度変動を起こしていることを強く示唆する結果を得た。この成果は、JpGU2022大会の緊急セッションで発表するとともに、EPS誌に投稿した。 4.これまでタイ・Phimaiやトカラ・中之島で観測して得たデータを処理して、外付けHDDに収納した。磁場および微気圧観測データはIAGA2002形式に変換し、GPS観測データはRINEX形式に変換した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.GSMaPによる全球降雨分布と磁気リップルおよび電子密度微細変動との間に有意な相関があることを確認した。学会で発表するとともに、結果をEPS誌で出版した。 2.タイおよびトカラ列島で観測した地磁気・微気圧変動・気象パラメーターおよびGPS-TEC変動データを解析し、成果を出しつつある。また、学会で発表するとともに、結果をEPS誌で出版した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.当初の計画に沿って磁気リップルや電離圏電子密度の微細変動と下層大気擾乱の関係を、より定量的に明らかにする。 2.地球下層大気と熱圏以外の領域での音波共鳴現象の存在を探す。 3.2022年1月15日のトンガ海底火山噴火時に発生した大気波動による電離圏現象についての解析を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス流行により予定した学会出張ができなかったため、旅費として使用しなかった。未使用予算は、学会で発表する予定であった研究成果の学術誌掲載料および2022年度の学会参加費等にあてる。
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[Journal Article] Amplitude enhancement of short period GPS-TEC oscillations over rainfall area2022
Author(s)
Toshihiko Iyemori, Akiyasu Yamada, Tadashi Aoyama, Kornyanat Hozumi, Yoshihiro Yokoyama, Yoko Odagi, Yasuharu Sano, Vijak Pangsapa, Thanawat Jarupongsakul, Akinori Saito and Masato Iguchi
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Journal Title
Earth, Planets and Space
Volume: 74
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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