2021 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of heavy precipitation change due to global warming
Project/Area Number |
21K03670
|
Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
水田 亮 気象庁気象研究所, 気候・環境研究部, 主任研究官 (80589862)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 地球温暖化 / 高解像度気候モデル / 極端降水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、主として高解像度気候モデル相互比較プロジェクト (HighResMIP) の下で世界各機関が行った全球の高解像度予測モデル実験結果を用いて、大雨の頻度や強度が地球温暖化に伴ってどの程度変化するかについて、変化を量的に規定しているのはどのようなプロセスであるかを解明することを目的としている。 当該年度においては、世界各機関の実験結果の収集を行うのと並行して、研究代表者のグループで実施した複数解像度でのHighResMIP実験結果について解析を行った。全球平均の年最大日降水量増加率は、温室効果ガス排出シナリオによらず、全球平均の地上気温上昇とほぼ比例していた。この関係は低解像度の気候モデルでの結果と整合的で、高解像度のモデルでも有効であることを示している。日本の陸域で10年移動平均した年最大日降水量と地上気温についても20kmの水平解像度でよく似た相関関係が見られたが、60kmの水平解像度では関係は明瞭ではなかった。これは60km解像度では日本の陸域の格子点数が不十分で、変化シグナルに対してノイズが大きいためであり、アンサンブル実験を使用しない場合には、日本の陸域といった地域スケールの年最大日降水量の連続的な変化は20km程度の解像度により初めて表現可能であることを示唆している。以上の内容について論文として投稿し受理された。今後同様の解析を世界各機関の実験結果に適用することを計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界各機関の実験結果の収集および研究協力者との共有に用いることを計画していたサーバーが、セキュリティインシデントのため本研究開始時点より5ヶ月間アクセスが困難な状況にあり、収集作業に遅れが生じたが、その間に研究代表者のグループで実施した複数解像度でのHighResMIP実験結果について解析を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度に行った複数解像度でのHighResMIP実験結果についての解析と同様の解析を、世界各機関の実験結果に適用する。またこの実験結果に対して、大雨指標の違いによる変化の違いや、水蒸気増加に伴う熱力学的寄与と上昇流増加に伴う力学的寄与を分離した評価についても比較を行う。
|
Causes of Carryover |
参加した研究集会・研究打ち合わせのほとんどがオンライン実施となり、旅費を使用しなかった。翌年度以降の研究集会参加・研究打ち合わせを追加して使用する。
|
Research Products
(5 results)