2022 Fiscal Year Research-status Report
Dynamical design of innovative ship observation: understanding and prediction of 'the double tides' in Tosa Bay
Project/Area Number |
21K03672
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
宮澤 泰正 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(アプリケーションラボ), ラボ所長代理 (90399577)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 機動的な船舶観測 / データ同化 / 四次元アンサンブル変分法 / アンサンブル誤差共分散 / アンサンブル感度解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年7月から2023年2月にかけて計7回、高知県水産試験場漁業調査船「土佐海洋丸」による観測を実施した。海流予測モデルJCOPE-T DAの結果を参照し、足摺岬沖周辺の黒潮流軸位置での水温・塩分観測、および航走ADCP観測を実施した。観測後、可能な限り速やかに海流予測モデルJCOPE-T DAにデータ同化し予測更新を継続した。データ同化効果が特に大きな海域は、外洋の黒潮流軸周辺海域であることが確認された。渦解像の北西太平洋海洋循環モデルを対象として、4次元アンサンブル変分法を用いてアンサンブルを生成し初期値を改善する海流予測システムの開発を継続した。結果のスキル改善を観測データによって定量的に評価する手法を確立した。スキル評価に基づき、コスト関数の背景誤差共分散の重みに関する最適な同化パラメータを同定した。より精緻な海洋構造を表現するため、コスト関数の背景誤差共分散を、直前の同化ウインドウから計算したアンサンブル予測結果を用いて表現する手法を開発し、スキルに与える影響を定量的に評価した。さらに、アンサンブル予測結果を用いて任意のモデル変数を対象とする感度解析手法を開発した。検証期間を、2020年2月28日~2020年12月18日までの約10か月とした。この期間において黒潮大蛇行は不安定で、黒潮大蛇行の先端から頻繁に冷水渦が切離した。10月には大きな冷水渦が切離し、一時的に大蛇行が消滅したが、再び小蛇行が九州南東沖から東進し12月には遠州灘沖で再び大蛇行に発達し復活した。四次元アンサンブル変分法予測システムが、三次元変分法予測システムでの予測と比較して、渦の切離による大蛇行の非現実的な不安定化を抑制し、大蛇行消滅後に生じた小蛇行の東進と大蛇行への再発達をより現実的に表現できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
四次元アンサンブル変分法予測システムの開発において、アンサンブル誤差共分散の実装に想定以上の時間を要した。このため、重要な目標であるアンサンブル感度解析の実装がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
想定以上の時間は要したものの、四次元アンサンブル変分法予測システムの開発が完了したのでリアルタイム運用に移行し、観測感度解析による最適観測位置の同定と、そこでの現場観測を実行していく。
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Causes of Carryover |
四次元アンサンブル変分法予測システムの結果をまとめた論文出版への支出を予定していたところ、想定以上に予測システムの開発に時間を要したため、論文出版に至らなかった。
今年度に予測システム開発が完了したので、次年度はその結果をもとに論文を出版する。次年度使用額は論文出版費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)