2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploration of superionic conductors under high pressure using syncrotron radiation x-ray: toward clarification of mantle structure of icy planets
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21K03718
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
木村 友亮 岐阜大学, 工学部, 助教 (50624540)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超イオン伝導体 / マルチアンビル装置 / X線構造解析 / 高温高圧実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射光X 線を使った高温高圧環境におけるCaF2のXRD実験を行なった。第一原理計算によって新規高圧相(δ相)の存在が予想されていた8万気圧、1500度付近において、我々は新規高圧相を確認しなかった。また、過去の実験ではより高い圧力で安定に存在すると考えられているγ相が4万気圧、500度で出現した。このγ相はβ相の安定領域として考えられてきた3万気圧、1000度を超える条件においても安定に存在できることがわかった。これらの結果は第一原理計算が予想する高温高圧相図や、示唆熱分析によって調査された相関係と一致しない。従って、本研究で行われたより信頼性の高い結晶構造の情報に基づいた相関係の調査は従来のモデルとは異なる結果を示すことがわかった。 高圧下でかつ1000℃を超える条件において、試料由来の回折ピーク強度の連続的な減少と、広いエネルギー範囲における回折パターンの重大な広がりを観察した。この現象は固体状態で観察されたことから、試料の結晶性が崩れてアモルファス化が進んでいる可能性を示唆している。このアモルファス化が進行する明瞭な原因は明らかになっていないが、フッ素イオンの高速な拡散が格子間結合力の低下を招いていることが要因の一つとなっているかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度はXRD実験に向けた準備を予定していたが、予定よりも早く実験の実施に成功し、構造データに基づく新しい相関係を導くことに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は結晶構造に基づいた相関係の調査を実施した。今後は、ラマン分光分析を用いた振動モードの情報に基づいて、より詳細に相関係を調査する。このように、より信頼性の高いモデル構築のために、結晶構造と結合の振動状態の両方の解析を通して多角的に相関係を決定する。
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Causes of Carryover |
購入物品の納期が次年度に繰り越したため。
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Research Products
(8 results)