2021 Fiscal Year Research-status Report
西南日本の地帯構造発達史の検証に基づく島弧地殻成長プロセスの解明
Project/Area Number |
21K03731
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
野田 篤 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (50357745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 泰広 九州大学, 工学研究院, 教授 (20362444)
長田 充弘 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核燃料・バックエンド研究開発部門 東濃地科学センター, 博士研究員 (30881685)
佐藤 大介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (80586595)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アナログ実験 / 沈み込み帯 / 付加体 / 前弧堆積盆 / 年代測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,沈み込み帯において繰り返される地殻の肥大化・縮小化のプロセスを理解することである.具体的には,西南日本の各地質体の上部白亜系を対象に,その土砂供給源の火成活動及び隆起・削剥作用を野外調査・アナログ実験・年代測定の3つの観点から検証するとともに,西南日本に見られる帯状の地帯構造配列の形成条件を制約する.研究初年度にあたる2021年度の計画には,西南日本内帯の地質調査と試料採取と年代測定,付加体の成長と衰退のアナログ実験を行うことになっていた.2021年度に実施した研究内容は以下の通りである. 野外調査については,西南日本内帯の白亜紀火成岩類および和泉層群を対象に,特に白亜紀火成岩類は福山地域を,和泉層群は松山地域と鳴門海峡・淡路島周辺の地域を中心に野外地質調査を実施した.また,鳴門市に分布する珪長質凝灰岩に含まれる砕屑性ジルコン粒子のU-Pb年代を測定し,四国東部に分布する和泉層群から初めてのU-Pb年代データを得た.アナログ実験については,既存の実験装置を改造して,従来よりも長い沈み込み変形を再現できるようにした.これにより,一回の実験の前半で付加体を成長させ,後半で縮小させるといったことが可能となった.しかし,実験装置の技術的な問題が残っており,詳細な解析に資する実験には到っていない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りではないが,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
野外調査については,引き続き西南日本内帯の火成岩類の調査を進めるとともに,外帯の白亜系の地質調査にも着手する.また,これまでに内帯について得てきた調査記録や年代測定データをとりまとめて,論文化を進める.アナログ実験については,装置の改良を続け,長大な変形を組み込んだ実験に取り組む.これにより地殻の成長と衰退を再現し,西南日本地質構造発達の履歴の解明につなげる.
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Causes of Carryover |
U-Pb年代測定に必要なヘリウムガスの使用量が見込みよりも少なかったため.残額は引き続きヘリウムガスの費用に充てるとともに,測定に必要な消耗品等を購入する計画である.
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Research Products
(6 results)