2022 Fiscal Year Research-status Report
レーザ干渉法により動的な微小弾性変位場を測定可能にする相対変位場測定手法の確立
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21K03754
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
有川 秀一 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40581781)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 相対変位場測定 / スペックル干渉法 / 外乱振動 / 性能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の当初計画は提案手法の測定精度の評価および提案手法の特徴である外乱振動に対する性能を調査することであった。これに対し、外乱を模擬した変位を与えた場合に、従来法と提案手法で得られる結果を比較し、提案手法では、理論通りにターゲット上に設けた基準線に対する相対変位が測定されることを確認した。また外乱を模擬した変位の量を変化させた場合にも理論で予想された通りの結果が得られることを確認した。さらに実環境に近い状況として、干渉計を除振台上に、ターゲットを床に直接置いた三脚上に設置することで床等から伝わる外乱振動により干渉計とターゲットの間に外乱振動に起因する相対的な変位速度が生じる環境を構築した。この環境下で従来法と提案手法の性能を比較した結果、従来法では安定した結果が得られないのに対し、提案手法では安定した測定結果が得られることを確認することができた。これらの結果は提案手法が理論的に正しくまた実験的にも実現可能であったことを示すものである。また2022年度の終盤では三脚上に設置可能な干渉計の試作を行った。具体的には可搬なサイズのブレッドボード状にターゲット以外の干渉計の全ての部品を設置し、除振台上で移動できる状況を作った。これにより除振台外に設置したターゲットとの距離を変化させやすくなったことから、レーザ光の焦点調節が容易になった。また実用的な干渉計を構築するための課題を調査することができた。いずれも当初の研究計画通りと言ってよい状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた課題には全て取り組むことができ、また必要な結果も得ることができた。ただし実験精度に関しては干渉計の改良等により改善する余地がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は本研究課題の最終年度であり、計画ではレーザ干渉計を除振台上ではなく三脚に設置して実環境下で物体の変形測定に適用することで、面内一軸方向の相対変位場測定を実現することを予定している。三脚に設置できる小型の干渉計を構築することに関しては経験があるため十分に実現できる見込みである。提案手法ではターゲットに対して相対変位場測定のための基準線を設置する必要があるため、その方法に関しては検討の余地がある。例えば材料の引張試験を測定する場合、試験中に傾いたりすることのない基準線を試験片付近に設置する必要がある。その方法として、試験機の試験片チャック部等を利用することが考えられるが、その剛性が不十分である場合には、試験機のより剛性の高い部分から試験片付近まで繋ぐような基準線の設置を行うことで、確実な相対変位場測定を実現できると考えられる。
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Causes of Carryover |
差額の1円は偶然生じたものである。次年度の予定額とあわせても計画に変更なく使用できるものと考えられる。
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