2022 Fiscal Year Research-status Report
超軽量メタポーラス構造創成のためのマルチスケール形状最適化手法の開発
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21K03757
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
下田 昌利 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00350570)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マルチスケール / ポーラス構造 / 形状最適化手法 / 軽量化 / マイクロラチス構造 / 積層シェル / 均質化法 / H1勾配法 |
Outline of Annual Research Achievements |
マクロ構造の形状とマクロ構造内に分布する全ミクロ構造の形状を自由に変動させるマルチスケール同時形状最適化手法の開発が本研究の目的である。初年度(昨年)は基礎となる剛性設計問題を対象に、マルチスケール形状最適化問題の解法の核となる部分を開発したが、今年度はそれを大きく発展させることができた。 その1つは、ミクロ構造としてポーラス構造を用いた固有振動設計問題に対する解法の開発である。そこでは固有振動問題に潜在する重根問題を解決し、2次元と3次元の複数のミクロ構造から成るマクロ構造のミクロ構造分布をトポロジー最適化で決定しながらミクロ構造中のポーラス形状を同時に最適化した。なお、ミクロ構造とマクロ構造は均質化法で接続した。2つめはミクロ構造としてポーラス構造を用いた強度設計問題に対する解法の開発である。そこではミクロのポーラス形状を変動させながら、ミクロ構造中の最大応力の最小化とマクロ構造の最大応力の最小化を行い、両者の効果を比較しながら手法の特徴を示した。3つめは積層シェル構造中のミクロ構造の形状最適化手法の開発である。設計問題としては剛性設計を取り上げ、各層と各領域中のポーラス形状を、体積制約下で同時に最適化する手法を開発した。4つめはミクロ構造としてラチス構造を用いた剛性設計問題の解法の開発である。そこではマクロ構造中に分布するマイクロラチス構造の断面寸法と部材形状を同時に最適化した。5つめは、熱伝導設計問題を対象にしたマクロ構造とミクロ構造の同時トポロジー最適化手法の開発である。 各設計問題は異なる特徴と解決すべき課題を有していたが、プロセスを統一しながら手法とシステム開発を行った。得られた構造の幾つかは3Dプリンターで試作し、性能の評価試験も実施、狙い通りの特性が得られていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に対して、人員を増やすことでき、一部の内容(積層シェル問題)を前倒して進めることができた。成果の一部は、既に複数の学術雑誌で採択された。 加えて、ポスドク研究員によるマルチスケールのミクロとマクロの同時トポロジー最適化手法の開発も順調に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の成果概要以外に、新たに(1)マイクロシェル構造を用いた形状最適化、(2)積層シェル構造の振動問題に対するミクロとマクロの形状最適化、(3)熱応力問題の対するポーラス構造の形状最適化、(4)マイクロラチス構造とマクロ構造の同時最適化、にも既に着手しており、各成果の論文投稿を推進する。また、国際会議が再開されて来ており、参加を行い、成果をアピールする。最終年度になる2023年度は2022年度以上の成果が得られる見込みである。
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Causes of Carryover |
当初、2022年度の人件費・謝金に全額を当てる予定であったが、研究の進展・拡大により2023年度の研究にも人件費・謝金が必要になったため、両年度に分割した。2023年度分は分割した人件費・謝金、及び消耗品費に使用する計画である。
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