2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K03771
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石井 明男 (シャードンバオ) 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 講師 (80773340)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 地震現象 / 材料力学 / 計算機シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
地震現象は時に多くの人命を奪う自然災害であり,防災・減災の観点からその発生メカニズムを明らかにすることは重要である.地震現象はその複雑性から,そのメカニズムは断層等の実地調査から経験的に推察することが主であり,詳細については理論的なモデリングや計算機シミュレーションによる解析が期待される.本研究では材料力学の分野でしばしば用いられるマイクロメカニクス理論を用いて,根本物理に基づいた地震現象のモデリング手法を構築する.それを用いて実地調査では難しい断層の形成過程の解析,さらに地震現象においてよく知られる発生頻度と規模の間の統計法則,グーテンベルク・リヒター則の起源につい て考える.本年度は昨年度に観測されたシミュレーション中に形成された断層中のひずみ成分のjaggyな変化の原因究明を実施し,これが物理的なものではなく応力場の計算を行っている際に使用している高速フーリエ変換による数値エラーであることを特定した.このエラーを除去する方法について模索した.マイクロメカニクスによる応力場,ひずみ場の計算の際,高速フーリエ変換を用いて微分方程式を直接解くのではなく,エシェルビーテンソルを用いる方法を考案した.この方法を直接地震の計算機シミュレーションに取り込むことにはまだ成功していないが,研究の副産物として考案した方法を材料内の相変態の解析に応用し,ジルコニウム中の水素化合物や形状記憶合金中のB19'相の形状予測に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように昨年度に報告したプログラムの不可解な挙動の原因は明らかになったのでおおむね順調といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
上述した高速フーリエ変換による数値エラーを除去する方法について模索を継続し,解析モデルを2次元から3次元に拡張する.
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Causes of Carryover |
使用予定であった論文執筆,出版の際の英文校正,オープンアクセス費用が別予算から賄えたため.
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