2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Quantitative Evaluation Method of Corrosion Defect Using Acoustic Emission Method
Project/Area Number |
21K03777
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
松尾 卓摩 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (80406834)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アコースティックエミッション / 腐食減肉 / 非破壊検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、材料の非破壊検査手法の一つであるアコースティックエミッション(AE)法を用いて鋼板及び鋼管の腐食減肉量を定量評価する手法について検討する。腐食した板や管に熱を加えて熱応力によって腐食性生物(錆)を機械的破壊させ、発生したAE波の伝搬モードごとの強度比からAE発生位置の腐食量を推定する手法の開発を目的とする。 腐食減肉量の計測精度を向上させるため,伝搬する弾性波のモードごとの減衰率を測定し,距離減衰を考慮してモード強度を補正する手法を検討した。減衰率は人工音源を用いて,センサから一定間隔の距離で計測した疑似AE波形をウェーブレット変換して,減衰率測定に使用する各モードの強度ピークの値の変化を用いて算出した.鋼板を用いた実験では,伝搬するSモードとAモードの距離減衰を測定して既往の実験結果の補正を行った結果,腐食減肉量評価精度が向上した。次に同様の実験を鋼管で実施した結果,同様に精度の改善が確認できた。 また,既往の研究で実施してきた試験は,人工的に減肉を付与したものに対して腐食を進展させていたことから,実際の腐食減肉に対する結果と一致しているかどうかは不明であった。そこで,長期腐食試験を実施して腐食減肉量と本手法による評価結果の関連性を評価するために長期腐食試験を実施している.本試験は腐食がある程度進展してから実施するため,現在試験片に対して腐食試験を継続中である。AE計測は本年度後半から実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では大きく4つの項目について実施予定である。そのうち,距離減衰と腐食減肉量の評価精度改善および,長期腐食試験における腐食減肉量評価についてはほぼ計画通りに進展している。また,熱サイクル試験時の加熱量とAE発生頻度の関連及び熱サイクル付与時のはく離の破壊モードについては,研究計画に示した手法では実施したが、本研究においてより効果的な手法が発見されたことから、現在両者の比較を行い,今年度の実施方法を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに進捗状況に記載の通り,熱サイクルを用いた試験方法については,より効率的に熱を付与できる実用的な手法が新たに発見できたことから,今後の実験を新たな手法で実施するかどうかについて検討を行っている。なお,計画で記載した手法についてはすでに実施していることから,計画の遅れなどは生じていない。
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