2022 Fiscal Year Research-status Report
安定で安心なCAD/CAM冠のための高強度歯科用コンポジットレジンの構築
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21K03780
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西川 出 大阪工業大学, 工学部, 教授 (90189267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (90175430)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コンポジットレジン / 疲労 / 摩耗特性 / フィラー粒径 |
Outline of Annual Research Achievements |
疲労強度や摩耗特性に優れたコンポジットレジンの開発に向かって、フィラー粒径とフィラー充填率に着目し、種々の特性調査試験を行った。配合するフィラー粒径は0.7μm、2.1μm、3.5μm、10μm、50μmであるが、10μm以下のナノフィラー、ミクロフィラーを添加剤としながら、50μmの比較的大きなフィラーが軸となるような配合を考案した。これによりフィラー充填率の向上を図ることができた。具体的に達成できた最高充填率は85%である。充填率として、85%、80%、70%、60%のワイドレンジでの特性評価実験を行った。その結果、フィラー充填率が大きいものほど疲労特性は向上したが、ある程度高い70%や80%の充填率となった時に疲労強度はピークとなり、それ以上充填率を上げると逆に強度低下する現象を確認した。すなわち、フィラー充填率には適正値があることが判明した。フィラー粒径の配合割合についても50μmのマクロフィラーの配合割合が60%以上でないと、よい疲労特性が得られないことも明らかとなった。一方、摩耗特性に関してもマクロフィラー割合の増加とともに特性が向上することが確認できた。さらに摩耗特性に及ぼす熱劣化の影響についても調査した。その結果、熱劣化の影響もマクロフィラーの配合割合が多いものほど、その影響を受けにくいことが分かった。コンポジットレジンにおける疲労強度特性、摩耗特性の双方に対してマクロフィラーの果たす役割が大きいことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
耐摩耗性、耐疲労特性に優れたコンポジットレジンの開発に向かって、基礎データを順調に撮り続けられていると判断している
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2022年度に得られた成果をもとに、さらに効果的な配合割合の探索を行うとともに、実際の臨床応用を見据えて、コンポジットレジンの接着特性の向上にも調査範囲を広げる。さらにはガラス繊維強化レジンの開発にも着手し、さらなる高強度コンポジットレジンの開発・探求に向かう予定である。
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Causes of Carryover |
次年度必要となるフィラー、レジンなどの消耗品費として2万円弱程度を繰り越して使用したいため
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