2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of shear deformation mechanism of amorphous electrical steel sheet by punching tool with nano-metric structure
Project/Area Number |
21K03789
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
白鳥 智美 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (80607755)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | せん断加工 / アモルファス電磁鋼板 / ナノ周期構造 / C面形状 |
Outline of Annual Research Achievements |
超硬工具に多結晶ダイヤモンドをロウ付けし、これにナノメートル周期構造を付与した工具を製作した。せん断用パンチの先端に10μm程度以下の微小なC面を角度を変えて付与した工具を製作した。2022年度までに製作した超硬工具にダイヤモンドをコーティングした工具ナノメートル周期構造を付与した工具、さらに通常の研削工具を用いて、アモルファス電磁鋼板のせん断加工を行った。せん断した穴表面のき裂幅、切り口面の性状確認、せん断荷重について検討し、破壊進展のメカニズムを考察した。 この結果、マイクロメートル単位のC面付与は穴表面のき裂幅を抑えることに有効であることを示した。パンチ半径方向のC面量を20 μmとし、パンチストローク方向のC面量を1 μmとした場合にせん断した穴の表面のき裂幅は最小となり、XY方向4カ所の測定では 5~15 μmの最小値を取り、板厚25 μm以下となった。FEMによる応力解析からき裂が発生する閾値となる応力を引張強度2.1 GPaに設定し、き裂幅とC面量との対応を考察した。この結果、パンチ半径方向のC面量を20 μmとし、パンチストローク方向のC面量を1 μmとした場合のように、特にパンチストローク方向のC面量を4 μm以下とすることで、せん断開始時にパンチが材料に接触する幅がパンチ半径方向のC面形状にならう状態が確保されることで、被加工材の引張変形がパンチ半径方向に限定され、このことがせん断した穴の表面のき裂幅を抑える要因であることを確かめた。ナノ周期構造の付与では、ナノメートル溝によってせん断穴表面のき裂幅を抑制する効果を確かめた。
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