2021 Fiscal Year Research-status Report
Highly Efficient Surface Smoothing by Clarification of EB Polishing Mechanism with Considering Flow of Material
Project/Area Number |
21K03807
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
篠永 東吾 岡山大学, 自然科学学域, 助教 (60748507)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 康寛 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (40304331)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 大面積電子ビーム / EBポリッシング / 表面平滑化 / 電磁場解析 / 熱流体解析 / 溶融金属 / 表面張力 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度の研究計画に挙げていた,大面積電子ビーム照射時における「凸部への電子集中現象の解明」に取り組んだ.はじめに,大面積電子ビーム照射装置を再現した電磁場解析モデルを構築した.実際の大面積電子ビーム照射装置と同様に,モデル内にカソード,アノードおよびソレノイドコイルを設置した.本解析モデルにより,電子ビーム照射中における工作物近傍の磁場を算出した結果,平坦形状と比較して凸部先端において磁束密度が増大する傾向が得られた.電子は磁力線に沿ってらせん運動しながら進む性質がある.すなわち,凸部先端への電子ビーム集中現象を解析的に明らかにすることができた. 次に,令和4年度の研究計画に挙げていた,電子ビームチャンバ内の真空雰囲気,金属材料の熱物性値や粘性などを考慮した熱流体解析モデルの構築を試みた.構築したモデルの解析精度を評価するため,工作物の形状を平坦形状とし,平坦形状の表面へ電子ビームの熱流束を与えた.その結果,実験で得られた電子ビーム照射1shot照射時の再凝固層厚さと,解析において得られた溶融層厚さがほぼ一致した.構築したモデルを用いて,表面に微細凹凸形状を付与した工作物に対して電子ビームを1shot照射した際の熱流体解析を行ったところ,微細凹凸形状表面の溶融,溶融金属の凸部から凹部への流動・再凝固層する過程が見られた.また,電子ビーム1shot照射後の微細凹凸形状変化が,解析と実験でほぼ一致することを明らかにした.さらに,EBポリッシング時において溶融金属が流動する駆動力は,表面張力の影響が大きいことが分かった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度の研究計画に挙げていた,大面積電子ビーム照射時における「凸部への電子集中現象の解明」に取り組んだ.はじめに.大面積電子ビーム照射装置を再現した電磁場解析モデルを構築した.実際の大面積電子ビーム照射装置と同様に,モデル内にカソード,アノードおよびソレノイドコイルを設置し,それぞれ電圧や電流密度を与えた.本解析モデルにより,電子ビーム照射中における工作物近傍の磁場を算出した結果,平坦形状と比較して凸部先端において磁束密度が増大する傾向が得られた.電子は磁力線に沿ってらせん運動しながら進む性質がある.すなわち,凸部先端への電子ビーム集中現象を解析的に明らかにすることができた. 次に,令和4年度の研究計画に挙げていた,電子ビームチャンバ内の真空雰囲気,金属材料の熱物性値や粘性などを考慮した熱流体解析モデルの構築を試みた.構築したモデルの解析精度を評価するため,工作物の形状を平坦形状とし,平坦形状の表面へ電子ビームの熱流束を与えた.その結果,実験で得られた電子ビーム照射1shot照射時の再凝固層厚さと,解析において得られた溶融層厚さがほぼ一致した.次に,表面に微細凹凸形状を付与した工作物に対して電子ビームを1shot照射した際の熱流体解析を行ったところ,微細凹凸形状表面の溶融,溶融金属の凸部から凹部への流動・再凝固層する過程が見られた.また,電子ビーム1shot照射時における電子ビーム照射後の微細凹凸形状変化が,解析と実験でほぼ一致することを明らかにした.さらに,EBポリッシング時において溶融金属が流動する駆動力は表面張力の影響が大きいことも分かった.これらの得られた結果について,国内の学会で報告した.以上より,本研究課題はおおむね順調に進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度以降は,熱流体解析によって,微細凹凸形状を有した工作物に対する,EBポリッシングによる微細凹凸形状の溶融,溶融金属の流動,再凝固現象について明らかにし,表面平滑化メカニズムの解明を試みる.工作物表面の微細凹凸形状の最大高さ粗さや凹凸平均間隔を変化させ,初期表面形状がEBポリッシングによる表面平滑化に及ぼす影響について議論する.また,複数回照射時の微細凹凸形状の表面形状変化についても解析を試み,EBポリッシングにより最終的に得られる表面粗さについて考察する予定である.
|