2021 Fiscal Year Research-status Report
粒子衝突プロセスにおける特異な異種材固相接合現象の究明と常温付加加工への展開
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21K03810
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
亀山 雄高 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (20398639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 紘一郎 大阪産業大学, 工学部, 准教授 (20610942)
市川 裕士 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80451540)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ピーニング / 移着 / 固相接合 / メカニカルミキシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,微粒子ピーニングにおいて生じる移着現象に焦点を当て,実験と解析の両面から検討を加える内容である.2021年度には,(1)微粒子ピーニングの被処理材および粒子の組み合わせによる移着挙動の差異について,(2)微粒子ピーニングの過程で移着成分が被処理材母材中にメカニカルミキシングされた結果形成される特異的微視組織(ラメラ状組織)について,(3)微粒子ピーニングにおける移着の発生メカニズムに対する解析的検討について,研究に取り組んだ.以下,各項目の詳細をまとめる. (1) 硬さの比率や化学的親和性の大小の面で異なる被処理材と粒子とを組み合わせて微粒子ピーニングを施し,その際に生じる移着の有無について比較を行った.その結果,両者の硬さ比や投射時間などの条件に応じて移着発生の有無や移着量の多寡が変化していく傾向を大まかにつかむことができた.比較的硬さの低い粒子を用いた場合であっても,被処理材が相応に低い硬さを有していればラメラ状組織が形成されること,比較的化学的親和性に富む組み合わせの粒子と被処理材であっても必ずしも移着が生じやすいわけではないこと,などの新しい知見も得られた. (2) ラメラ状組織が形成・発達していく過程を準その場観察するための実験装置の設計・施策を進めた.また,ラメラ状組織内部に存在する,移着物由来相と被処理材母材相とがなす界面の接合強度を評価する実験を行う計画であったが,装置の都合により延期となった. (3) 粒子法を利用して微粒子ピーニングによる粒子噴流を模擬した解析モデルを構築した.これを用いて,ピーニング加工条件の各種パラメータが噴流の様子に及ぼす影響や,被処理材衝突後の粒子の振る舞いとそれによる加工作用について新たな知見が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた実験が実施できなかった内容もあるが,必要な基礎的知見が順調に収集できている.今後の研究を進める上で,移着発生の多寡を評価する方法が重要になるが,それについても方針を定めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
微粒子ピーニングによるラメラ状組織の形成過程を,X線CTを用いて準その場観察する.さらに,形成後のラメラ状組織について,ナノインデンテーション装置を用いた機械的性質のマッピングと微視的接合界面の強度試験を行うことにより,メカニカルミキシングの過程で生じている固相接合現象についての理解を進める.また,解析的アプローチにより粒子飛翔挙動についての検討を進め,得られた知見をもとに粒子の飛翔に関わる力学的な条件の統一をはかったうえで,粒子と被処理材の組み合わせによる移着発生への影響を詳細に検討する.
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Causes of Carryover |
実験用装置の構築の必要な資材や実験用消耗品に学内現有品を一部転用できたことに伴い,予算の一部が未使用となり,次年度使用分となった.ねん出された予算を活用して導入設備の見直しを行い,来年度以降の研究を一層促進させるために利用する.
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Research Products
(1 results)