2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K03828
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
内舘 道正 岩手大学, 理工学部, 教授 (30422067)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 表面性状 / フィルタ / 表面粗さ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,新規国際規格に基づく表面性状評価手法の確立のため,ロバストガウシアン回帰フィルタ(Robust Gaussian Regression Filter, 以下RGRF)の実装方向について検討を行った.具体的には,繰り返し計算における処理の効率化のため,重み関数の打ち切り定数を設定するとともに,繰り返し計算における不変量を明らかにし,重み関数とともに配列に格納することで効率化をはかった.
作成した処理プログラムをPythonを用いて実装し,外れ値を含むサイン波(データ点数40,000点,10周期分)を用いて0次,1次,2次のRGRF検証した.また,比較のため,外れ値を含まない同様なサイン波での検討に加え,ロバストでないガウシアン回帰フィルタ(Gaussian Regression Filter, 以下GRF)についても実装し,計算を試行した.重み因子は,国際規格で採用されているバイスクエア型とした.検討の結果,打ち切り定数の実装と重み関数の格納によって,計算時間が72%から97%短縮された.また,結果の差異もほとんど認められなかった.繰り返し計算における不変量の格納については,9%から55%の時間短縮が確認され,結果についても問題点が見られなかった.
以上より,試行した効率化の有効性が確認され,ロバストガウシアン回帰フィルタの実装へ向けて有用な知見が得られた.しかしながら,前述の結果における計算時間は,0次のRGRFでは約10秒,1次と2次のRGRFでは約100秒であった(CPU:Intel Core i5 2.6 GHz, メモリ16GB).産業的な実装に向けては,更なる高速化が必要という課題も残した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の成果により,実装のための高速化が達成できる目処が付いた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,高速処理が可能なプログラミング言語を用いて実装を行い,三次元表面性状のためのフィルタへの拡張を目指す.
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Causes of Carryover |
ソフトウェアのライセンス追加を次年度に繰り越したため,わずかに使用額が予定よりも少なかったが,次年度に導入の予定である.
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