2022 Fiscal Year Research-status Report
関節軟骨の階層性,異方性構造に着目したバイオインスパイアードハイドロゲルの開発
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21K03840
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鎗光 清道 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90723205)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / 階層構造 / 弾性率 / 摩擦 / 固液二相性潤滑 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,階層性ポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲル作製の基盤技術構築および階層構造付与によるハイドロゲルの潤滑機能向上メカニズムの検討のため,階層構造ハイドロゲルの製作およびその力学・摩擦特性評価を行った. 平均重合度1700,ケン化度98.0~99.0mol%のPVAの15wt%水溶液を原料とし,60℃,80%RHの高温高湿環境下にて乾燥処理を行い作製した高弾性率PVAキャストドライゲル上に,8℃,50%RHの低温環境下で乾燥処理を行った低弾性率PVAキャストドライゲルを積層した階層構造ハイドロゲルを作製した.なお,高弾性率ゲル層の厚さを一定とした上で,低弾性率ゲル層の厚さを複数種設定したものを作製し,低弾性率層の厚さの違いが力学・摩擦特性に及ぼす影響を検討した. インデンテーション試験の結果,低弾性率層が薄いゲルほど,下地の高弾性率ゲル層による変形拘束の影響によりゲルの剛性が高まることが明らかとなった.また,球状ガラスプローブを相手とした摩擦評価により,低弾性率層が薄いほうがより低摩擦となる傾向が見られた. これらの結果により,ゲルの階層構造がその力学,摩擦特性に影響を及ぼすことが明らかとなった.これは,負荷時の低弾性率ゲル層の変形が高弾性率ゲル層に拘束されることにより剛性が向上すること,および摩擦負荷時の接触面積の低減,ゲル内部の水分流動の制限により固液二相性潤滑機能が向上することによるものであると推察された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は,階層性ポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲル作製の基盤技術構築および階層構造付与によるハイドロゲルの潤滑機能向上メカニズムの検討のため,階層構造ハイドロゲルの製作およびその力学・摩擦特性評価を行った.そして,製法の確立および階層構造付与による潤滑性能向上の可能性を示す結果が得られた.階層構造付与による潤滑機能向上メカニズムについては2023年度も引き続き検討を継続するが,設定目標はおおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,2021~2022年度に得られた知見を踏まえ,引き続き階層性・異方性構造による潤滑機能向上メカニズムの検討,およびその知見を生かした生体軟骨を規範としたバイオインスパイアード超潤滑ハイドロゲルの創成のための基盤技術,基礎学理の構築を目指す.
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Causes of Carryover |
研究に係る薬品調達が想定より抑えられたため残分が生じているが,当該金額は次年度の物品費と併せて使用予定である.
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[Journal Article] On the replacement of articular cartilage: The friction of PVA hydrogel layer in hip simulator test2023
Author(s)
Necas, D., Yarimitsu, S., Rebenda, D., Shinmori, H., Vrbka, M., Sawae, Y., Murakami, T., Krupka, I.
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Journal Title
Tribology International
Volume: 178
Pages: 108100~108100
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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