2023 Fiscal Year Annual Research Report
体内埋込み人工腎臓用1自由度制御型磁気浮上遠心ポンプの研究
Project/Area Number |
21K03841
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
張 暁友 日本工業大学, 基幹工学部, 教授 (30431985)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 磁気軸受 / 遠心ポンプ / 人工腎臓 / 電磁アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、まず遠心ポンプのインペラを回転させるためのモータを設計し、試作を行った。モータはトルクと効率を高めるため、ロータに8極を有するハルバッハ配列にした16個の永久磁石を配置し、ステータに3相4組計12個の空芯コイルを配置する。コイルに三相交流電源より給電を行うことで、随時u、v、w相の磁極の変化に伴い、ロータに配置された永久磁石間に吸引・反発力が発生し、ロータが回転する。 永久磁石の材質はN52を使用し、コイルは巻き数170巻で、0.54mmの直径を有する銅線を使用する。また、ロータの回転数を計測するため、ロータの磁極を検知する目的でホール素子を、3相の空芯コイル内にそれぞれ1個ずつ配置する。 モータの回転制御をPIDコントローラによって行う。ホール素子から得た2値化した信号の組み合わせにより、u、v、w相に一定の電圧をスイッチングして印加する。試作モータを用いて回転実験を行い、モータを2500rpmまで回転制御ができることを確認できた。1000rpmにおいて、ロータの各自由度方向の振動の両振幅は、z方向が7.12μm、x方向が41.9μm、y方向が44.1μm、x軸回り方向が2.93mrad、y軸回り方向が2.94mradとなった。 また、磁気浮上ポンプ内における血液の流れに対して、3次元数値シミュレーションを行った。また、ポンプ内部の圧力分布、せん断応力分布、血球成分の体積分布、および分離特性などを解析し、血液の入口流速やインペラ回転数を最適化できた。シミュレーション結果から明らかなように、回転速度が2750rpmを超え、血液の入口流速が1.2m/sの場合、血液入口と出口の間の圧力差は10000Paとなり、血球成分の分離効率は約45%となった。
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