2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of surface temperature evaluation method of rolling bearing inner and outer raceway by the Seebeck effect and law of homogeneous
Project/Area Number |
21K03843
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
東崎 康嘉 近畿大学, 理工学部, 教授 (60610540)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 転がり軸受 / 軌道面温度 / 動的熱電対法 / 均質回路の法則 / 軸受精度 / 高速度カメラ / 温度測定 / 深溝玉軸受 |
Outline of Annual Research Achievements |
深溝玉軸受は様々な分野で使用されており,自動車の動力伝達装置では,装置の小型化のため,動力伝達装置内で使用する潤滑油量の低減や,低粘度油の使用が進められている.このような厳しい状態下では,軸受にフレーキングなどの損傷が発生する.本研究では損傷を防ぐために軸受の軌道面温度を測定し,温度上昇の指標を得ることを目的とした.本研究では,深溝玉軸受(型番 6207)を使用し,動的熱電対法と均質回路の法則を用いて転がり軸受の材質を変更し,内輪軌道面の温度測定を行った.昨年度の研究の試験軸受では,加工精度が悪いものであったが,今年度は高精度の規格品を使用することで軸受の精度を良いものとした.昨年度との結果と比較することで,軸受の精度違いでの温度上昇の比較を行った.今年度は軌道面の温度上昇が一定であり,軸受精度の良悪で比べると温度上昇の様子が大きく異なることが確認できた.高速度カメラで軸受横部と下部での転動体の挙動を見ると,どの箇所でも転動体が転がり運動をしており,挙動が一定であると確認できた.よって軸受精度の悪いものでは転動体が転がりのほか,公転方向とは垂直方向へ滑っており,挙動が一定にならなかった.よって転がり摩擦の他に滑り摩擦も大きく発生し,局所的な温度上昇が起こりやすくなった.また,隙間が大きくなることで接触が起こりにくくなり,軌道面温度が検出できない箇所が存在した.対して軸受精度の良い今年度では軸受隙間が小さく非負荷圏でも球と内輪が接触しており,隙間が安定しているため回転方向が一定となる.よって接触点の温度も検出され,温度が一定であったと考察された.昨年度の研究より軸受隙間が広くなることで転動体が滑り,軸受軌道面の温度が上昇すると考えられた.従って,真円度が軸受隙間を変動させる一つ要因であり,転がり軸受軌道面の真円度精度が温度上昇に対して影響を与えると結論付けた.
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