2021 Fiscal Year Research-status Report
Flow control by surface manipulation
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21K03861
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| Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
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Principal Investigator |
稲澤 歩 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (70404936)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 流れの制御 / 表面操作 / 熱対流 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，壁面の波打ちと温度分布の組み合わせによる表面操作（表面パターンフォーシング）による流れ場の応答解明と，その力学的性質を利用した新たな流体制御法の確立を目指した実験実証研究である．2021年度は，水平スロット内の熱対流現象に及ぼす壁面波打の影響解明に取り組んだ．実験モデルの水平度が精密に調整可能な支持台を設計・製作するとともに，振幅0.25mmの微小振幅を有する波長が異なる波打板を作成した．スロット上下壁に温度差を与えるための加熱・冷却方法を慎重に検討し，赤外線放射温度計および熱電対による計測から，平板温度の一様性を確認したのち，スモークを用いた流れの可視化を実行した．
上下壁が滑面の場合，温度差とスロット半幅に基づくレイリー数が213を超えると線形不安定によるレイリーベナール対流（RB対流）が生じる．一方，下壁面にスロット幅の5%程度の微小振幅の波打ちを与えると，レイリー数50以上から対流ロール対が生じ始めた．ロールのサイズは，レイリー数213以下（亜臨界）では，波打ちの波長に対応している一方，超臨界（レイリー数213以上）では，滑面スロットで観察されるRB対流が支配するようになることが示された．このように，壁面の波打（粗さ）はスロット内の対流発生に強く影響し，より広いレイリー数において熱輸送を促進することが見出された．また，下壁に加えて上壁が波打ちを有する場合の流れの観察実験も開始し，壁面波打ちとレイリー数に対する対流パターンの関係を実験的に調べた．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主題である実験観察実施のため，実験モデルの水平度が精密に調整可能な支持台を設計・製作するとともに，振幅0.25mmの微小振幅を有する波状壁板をいくつかの波長で作成した．スロット上下壁に温度差を与えるための加熱・冷却方法を慎重に検討し，赤外線放射温度計および熱電対による計測から，平板温度の一様性を確認した．本研究では微小な駆動力による熱対流現象を正確に捉えるため，観察領域への外乱の侵入は極力回避しなければならない．そこで，可視化およびPIV計測のためのスモークの導入法と光の照射法の手順を確立した．以上の準備を完了した後，流れの観察を実施した．
水平スロット（滑面）においては，上下壁の温度差とスロット半幅に基づくレイリー数が213を超えると線形不安定によるレイリーベナール対流（RB対流）が生じる．一方，下壁面にスロット幅の5%程度の微小振幅の波打があると，レイリー数がわずか50以上で対流ロール対が生じ始めた．ロールのサイズは，レイリー数213以下（亜臨界）では，波打ちの波長に対応している一方，超臨界（レイリー数213以上）では，滑面スロットで観察されるRB対流が支配するようになることが示された．このように，壁面の波打ち（粗さ）はスロット内の対流発生に強く影響し，より広いレイリー数において熱輸送を促進することが見出された．
本実験成果は，国際会議で発表された．
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| Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り，表面操作（表面パターンフォーシング）による流れ場の応答解明に関する研究と流れ場の応答解明と，その力学的性質を利用した新たな流体制御法の確立に向けて取り組む．制御に適した表面操作の組合せを見出し，これまでにない，新しい流れの制御手法を提案するとともに，それらの実験実証を目指す．これらのテーマについては，海外研究者らと協力して取り組む． 成果を学会発表やジャーナル論文として公表する．
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| Causes of Carryover |
実験消耗品の一部が不要になったため．
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Research Products
(2 results)
