2022 Fiscal Year Research-status Report
プラズマアクチュエータを用いたタービン静翼・動翼の二次流れの能動制御
Project/Area Number |
21K03868
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松沼 孝幸 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (40358031)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | プラズマアクチュエータ / 流体機械 / タービン翼列 / 流体能動制御 / 二次流れ / 流路渦 / 翼先端漏れ渦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,前年度に直線タービン翼列の出口流れを2次元粒子画像流速測定法(PIV)によって測定した実験結果のデータ解析を行い,3報の論文として国際誌に投稿した。3報とも年度内に掲載された。1報目では,プラズマアクチュエータの軸方向の設置位置を変化させて,流路渦の抑制効果がどのように変わるかを調べ,翼前縁の少し上流に設置したときに最大の制御効果を生み出せることを明らかにした。2報目では,プラズマアクチュエータに入力する電圧を連続駆動とバースト駆動の両方で制御し,バースト駆動のほうが,効率良く流路渦を抑制できることを明らかにした。3報目では,産総研で開発したリング型プラズマアクチュエータにおいて,漏れ渦を抑制するメカニズムを明らかにした。 さらに,翼先端に隙間があって,流路渦と漏れ渦が同時に発生している流れ場において,プラズマアクチュエータによる流路渦制御を行った場合の渦構造の変化を詳細に調査した。プラズマアクチュエータの駆動することで,流路渦を効果的に減少させることができる一方で,翼先端漏れ渦が増大してしまうことを明らかにした。この結果から,流路渦と漏れ渦を同時に抑制できる複合型プラズマアクチュエータの開発が必須であることが明確になった。新しく制作した複合型プラズマアクチュエータでの実験から,流路渦と翼先端漏れ渦を同時に抑制することが可能であることを実証し,データ解析を行った後,国際誌に投稿原稿を作成した。 続いて,直線タービン翼列よりも実機の流れ場に近い環状タービン翼列風洞を用いた実験のための実験整備を行った。環状タービン翼列の流れ場を測定するために,アルミフレームを用いて,YAGレーザー設置台,高速度カメラ設置台の構築を行った。PIVのソフトウェアの使用方法を理解し,各種調整を行った。これから本格的に実験を稼働させる予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
直線タービン翼列において膨大なPIV実験データを取得した。様々な視点からデータ解析を行い,国際誌への論文化を行った。環状タービン翼列の実験準備も進め,レーザー装置や高速度カメラの設置台などを組み立てて,PIV実験を開始する準備が整った。
|
Strategy for Future Research Activity |
直線タービン翼列の実験データを整理して,得られた知見をまとめて国際誌に投稿することを続ける。また,環状タービン翼列での実験も開始して,タービン静翼とタービン動翼の空気力学的干渉など,実機条件に近い複雑な流れ場において,プラズマアクチュエータの漏れ渦と翼先端漏れ渦の抑制効果を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
研究所の内部予算が予想以上に使えたため,科研費で準備する予定だった物品の多くを,内部予算で購入することができた。また,コロナ禍の影響で,国内・海外の学会で発表する機会がなくなり,旅費として確保していた研究費を使用しなかった。今後は,これまでに得られた実験データから,複数の論文投稿ができるため,英文校正費用や論文投稿料やオープンアクセス化料などが必要になるため,次年度使用額を科研費の研究成果発表に有効活用していきたい。
|
Research Products
(5 results)