2023 Fiscal Year Annual Research Report
Simultaneous estimation of heterogeneous scalar sources and searching for contact-avoidance routes: algorithm construction and its validation
Project/Area Number |
21K03871
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
亀谷 幸憲 明治大学, 理工学部, 専任講師 (60759926)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乱流 / スカラー発生源推定 / 随伴最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
火災現場や事故現場では,一酸化炭素や塩化水素等の有毒ガスが発生して対流によって輸送され,火炎と共に消火活動及び救助活動の妨げとなる.多くの場合、火元と有毒ガスの発生点は異なり,有毒ガスをできるだけ回避しながら迅速に火元の探索及び救助を行える経路が求められる.これまで,熱と有毒ガスなど複数の異種スカラーの発生源の同時推定の例はなく,乱流場において特定スカラーの接触回避とスカラー発生源到達を同時に実現する効果的な経路探索手法はない.本研究では,複雑構造物内に配置された複数種のスカラー発生源を随伴解析によって同時推定するアルゴリズムを構築し,局所濃度情報から特定のスカラーへの接触を回避し,スカラー源に到達する経路探索のフレームワークを開発する.物理現象の支配方程式に基づく逆解析手法である随伴解析は,その性質上スカラー種数が増加しても計算コスト上昇が抑えられる利点があるため,発生源推定に限らず汎用性が期待できる.一方,早期到達と接触回避の多目的経路最適化には強化学習を利用した. 最終年度は,建造物の部屋を模擬した矩形上の開放型風洞に熱源(白熱電球)と二酸化炭素発生源を設置した流れ場から,局所濃度と温度データを取得する計測系を構築した.温度・濃度情報取得は達成したが,熱源やガス源のスケールを十分に小さくすることができず,流れ場の再現精度を十分に確保できなかったため,随伴解析アルゴリズムの実証の完全達成を実施することはできなかった. 本研究では期間を通して乱流場でのスカラー源発生源推定・経路最適化アルゴリズム開発とその実験実証の二つの大きな柱を設定していた.前者については数値解析により有効性を確認したが,後者についてはスカラー対流場の再現に課題が残り,実証に関する十分な成果は得られなかった.
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