2022 Fiscal Year Research-status Report
多様な風況に順応可能な発電用風車を実現する能動的剥離制御技術の確立
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21K03882
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 允 工学院大学, 先進工学部, 准教授 (50648897)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 流体制御 / CFD / DBDプラズマアクチュエータ / 動的翼周り流れ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,実験室スケールの風車流れを模擬した動的翼周り流れを対象とし,ボルテックスジェネレータ型プラズマアクチュエータ(VG-PA)を用いた動的剥離制御のLarge-Eddy Simulation(LES)を複数の駆動条件について行い,制御効果と制御メカニズムについて検討した.ここで,動的翼は迎角が5度から25度まで時々刻々変化するピッチング翼とした.駆動条件は,VG-PAを連続的に駆動する「連続駆動」,低周波数で間欠的に駆動する「間欠駆動:低」,高周波数で間欠的に駆動する「間欠駆動:高」とした. 数値解析結果より,「間欠駆動:高」「間欠駆動:低」の各駆動方法で特に高い剥離制御効果が得られた.「間欠駆動:高」では,VG-PAを高周波数で間欠駆動することにより,剥離せん断層における乱流への遷移が促進され,ピッチアップ時の動的失速の遅延とピッチダウン時の再付着の促進が実現できた.「間欠駆動:低」では,VG-PAを低周波数で間欠駆動することにより,ピッチダウン時において2次元的な大規模渦構造が生成され,これによりピッチダウン時における揚力の増加と再付着の促進が実現できた.また,「連続駆動」では,ピッチダウン時における再付着の促進が確認できた. 本結果より,2021年度におこなった静的翼周り流れにおける剥離制御に加えて,動的翼周り流れにおいても,スパン型プラズマアクチュエータ(SP-PA)を用いた剥離制御と同様の制御効果がVG-PAを用いた制御によって得られることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,実験室スケールの風車流れを模擬した動的な翼周り流れに対してVG-PAを用いた剥離制御のLESを行い,制御効果と制御メカニズムを明らかにすることができた.特に,前年度得られた静的翼周り流れに加えて,動的翼周り流れにおいても,VG-PAの間欠駆動によってSP-PAと同様の制御効果が得られることがわかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,これまでに得られた知見を基に風車周り流れにおける剥離制御に関する数値解析を行い,制御効果と制御メカニズムを明らかにする予定である. 特に,VG-PAによってSP-PAと同様の剥離制御が動的翼周り流れでも可能になるという本年度得られた知見を活用し,風車翼周り流れにおける高効率でロバストな剥離制御を実現するPAの配置・駆動方法を検討する.
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Causes of Carryover |
コロナの影響により国際学会にオンラインで参加したため,旅費の未使用分を次年度に繰り越した.当該費用は次年度における成果発表の費用として使用する.
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