2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on magnetic driven dynamic bearing system for right heart ventricular assist device
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21K03886
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 隆起 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00570631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
築谷 朋典 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (00311449)
堀口 祐憲 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60314837)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非接触駆動 / 動圧軸受 / 軸振動 / 非定常流体力 / 右心補助人工心臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、将来的な右心補助人工心臓を実現すべく,小型・シンプル・低コストの要件を満たす新しい非接触磁気駆動動圧軸受システムの確立を目指した検討を実施している。 具体的には、磁気駆動部における吸着力や磁石個数が羽根車の非接触安定性に及ぼす影響の解明、数値流体解析および磁場解析を用いた羽根車の非接触駆動メカニズムの解明、血液成分への影響の検討が全体の目的となる。 本年度は、「磁気駆動部における吸着力や磁石個数が羽根車の非接触安定性におよぼす影響の解明」を主な目的に、磁気駆動部の吸着力が羽根車の運動形態や非接触安定性に及ぼす影響を調べた.これまで,本磁気駆動システムには円柱形の永久磁石が使用されてきたが,更なる磁力の向上を目的として,C型磁石に対して検討した.C型磁石における基準寸法は,羽根車側が 外半径 9 mm×内半径 7.5 mm×高さ 3 mm,駆動用ロータ側が,外半径 15 mm×内半径 13.5 mmであり,材質や個数を変えて磁力に対する検討を行った. 具体的には,まず,個数の影響として,これまでの円柱型磁石と同程度の磁力でN52で4 個としたものと,個数4 個で,材質をネオジムN35 とし磁力を弱めた場合について検討した. その結果,N52の場合は,定格での駆動ができ,個数の影響はないことが確認できた.一方,N35では,定格回転数での運転ができないことを確認した.FFT解析による結果では,円柱型磁石の場合は,自転周波数の半分程度での周波数成分が確認されたものの,C型磁石の場合は確認できず,自転周波数成分のみで駆動されていることが明らかになった. また,C型磁石を用いた場合,軸受隙間幅が30,100 μmを除いて機械的な接触が確認されず,円柱型磁石を用いた場合に比べると保証できる軸受け隙間幅の範囲が広いため実用化に向いている可能性があることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の実験計画において,実験による検討と数値解析によるメカニズム解明の検討を計画していたが,約60%程度の達成状況となっている. 実験においては,コロナの影響により本実験で必要となる特注の永久磁石の調達に大きな遅れが生じてしまい,当初の計画であった,磁力と個数の影響のうち,全ての実験を行うための磁石の調達ができなかったのが,遅れている原因となっている. 一方,数値解析による検討においては,流体解析と磁場解析の併用による,非接触駆動メカニズム解明に取り組んだが,磁場解析においては,実際の装置における磁力の予測がほぼ達成できている.一方,流体解析においては,定性的な傾向はこれまで把握できているものの,定量的な評価の裏付けが達成できていない状況であり,今後,更なる検討が必要不可欠となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目においては,初年度の遅れを踏まえて,引き続き,「磁気駆動部における吸着力や磁石個数が羽根車の非接触安定性におよぼす影響の解明」の検討として,主に磁力を変化させることで,羽根車の非接触駆動への影響について検討する.初年度は,コロナの影響により,部材調達に大幅な遅れが生じてしまい,研究の全体計画がやや遅れているものの,現在,部材調達にも大きな支障はなく,初年度の遅れを取り戻すことは可能であると考える.実験方法等は確立しているため,引き続き,実験を進展させていき,3年目の溶血試験の実施に向けて,最適形状の検討を実施する. 一方,数値解析によるメカニズム解明に関しては,磁場解析による検討方法はほぼ確立していることから,数値流体解析に専念することで,総合的に非接触駆動メカニズムの解明に向けて進めて行く.
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Causes of Carryover |
当初購入予定であった,特注の永久磁石がコロナの影響で,年度内での納品が不可能な状況となってしまい,発注をしなかった部材が生じてしまった.本年購入できなかった部材は,次年度,早々に発注予定で処理できる見通しである.
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Research Products
(1 results)