2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on mechanism of the cavitation erosion mitigation in narrow gap under flowing condition
Project/Area Number |
21K03888
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
直江 崇 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (00469826)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | キャビテーション / 圧力波 / 高速度撮影 / 水中火花放電 / 壊食損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,大強度陽子線に励起される圧力波に起因する水銀標的容器内のキャビテーション現象について,平行平板に挟まれた壁面境界の影響を受ける流れ場での損傷形成メカニズムと陽子線強度依存性を解明することを目的としている. 平行平板内に水中火花放電等で模擬的に発生させた圧力波励起キャビテーションについて,高速度撮影による現象の可視化,気泡崩壊圧の計測を通じて,気泡成長・崩壊挙動に及ぼす壁面境界及び流れの影響を明らかにすることに加えて,損傷に影響する圧力波の強度依存性を評価することを目指す. 研究初年度であるR3年度は,狭隘流路内でのキャビテーション現象の可視化を目的とした機器の整備を実施した.水銀標的の狭隘流路構造を模擬したアクリル要素モデルを製作し,結石破砕装置を改造した水中火花放電装置と組み合わせることで狭隘流路内において安定してキャビテーションを発生させるために,電極間距離を制御する微調整機構を追加した.また,動圧の影響を考慮した流れの影響を評価するために,流路及びループを加圧可能な構造とした. 第1ステップとして,流路内の圧力を制御しない条件で,流速を変化させて可視化実験を実施した.その結果,流速の増加に伴って動圧が増加し,水中火花放電により発生するキャビテーション気泡の最大半径は小さくなる傾向が見られたが,壁面に設置した振動加速度計による崩壊圧計測では,流れによる明瞭な違いは確認できなかった. 狭隘壁中央で発生させたキャビテーション気泡の場合,流れの影響を受けて気泡が非対称に成長し,下流側に向かって壁面と平行にマイクロジェットが噴き出す現象が観測された.これには電極による流れの影響も含まれるため,電極の形状や壁面からの距離を変えた試験も今後実施していく.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R3年度は,当初の計画通りに狭隘流路を有する流れ場でのキャビテーション気泡の観察が可能な装置の整備が完了し,可視化実験にも着手できたことから,おおむね順調に進展していると判断する.
|
Strategy for Future Research Activity |
水中火花放電では,電極が流れに影響を及ぼすため,電極の影響を極力減らす目的で電極の小径化を試みているが,放電の衝撃により破損するため寿命が短く,系統的な試験を実施するためには検討が必要である. R4年度においては,この検討を進めるとともに,実験体系を再現した解析モデルを製作し,数値解析的な検討も並行して進め,狭隘流路を有する流れ場の流路幅を変化させて,動圧の影響も考慮した試験を実施する計画である.
|
Causes of Carryover |
R3年度においては,狭隘流路キャビテーション可視化流路の製作に係る費用と,消耗品の購入に係る費用が当初計画に比べて安価だったため,次年度使用額が生じた. 次年度使用額は,R4年度の研究費と合わせて,電極等の消耗品の購入に係る費用として使用予定である.
|