2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of LES solver independent of combustion regimes by the conditional moment closure method
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21K03889
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
芳賀 臣紀 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (30646930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜飼 諭史 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (90897042)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | LES / 乱流燃焼モデル / 条件付きモーメントクロージャ / 流束再構築法 / 液体ロケットエンジン |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる今年度は,化学種およびエンタルピーの条件付きモーメント(空間3次元に加えて条件スカラーの4次元配列)の支配方程式(CMC方程式)について離散化を行った.4次元のCMC方程式の計算コストを抑えるため,空間離散化には低次精度(1次または2次精度)の流束再構築法(FR法)を用いる.圧縮性Navier-Stokes式と条件スカラーの保存式については,同一の計算格子でFR法の次数を上げることでLES計算を行う.これによりCMC方程式に必要な条件付きの速度およびスカラー散逸率を同一セル内の単純な条件付き平均で評価可能となり,従来手法に比べてシンプルかつ計算コストを抑えた手法を構築することができた. 実用解析においては低い計算コストと数値安定性が必要であり,高コストなCMCセル(本手法では計算セルと同じ)を減らすためにできるだけ高次のFR法でLES計算を行うことが成功の鍵となる.液体ロケットエンジンにおける超臨界圧の液体酸素と燃焼ガスの高密度比界面においては,高次精度FR法の数値安定性に課題があった.この問題を解決するため,各物理量に対する制約(密度・圧力は非負,化学種質量分率は0以上かつ1以下)を拡張し,実在気体効果を考慮したエントロピーについても最小値の制約を導入した.セル内分布の制限にはセル平均値とのブレンドを用いる簡易なリミッターを採用し,安定性が大きく向上することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の目標であった,CMCモデルとLESソルバ(FR法)のカップリングの定式化については完了し,実用解析に適用するうえでの大きな課題であった高次精度LESの数値安定性についても改善する手法を構築できた.一方で,CMCモデルのコード実装について予定よりも時間を要し,検証ケース(メタン/空気の乱流拡散火炎)の実施は遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はCMCモデルの検証ケース実施を加速させ,精度および数値安定性を確認する.そのうえでより計算コストの低いコード実装に着手する.現状では既存LESソルバーで最低次である空間2次精度のFR法をCMC方程式に利用しているが,局所的な失火・再着火などの無い火炎が安定した領域では空間1次精度にすることで予測精度を落とさずに計算コスト低減が可能になると考えている.空間1次精度のFR法は粘性項の離散化を修正する必要があり,その検証も実施する.逆に火炎が不安定な領域ではCMC方程式の近似精度を上げることで予測精度の向上が期待できるため,計算セル毎にアダプティブに近似精度を変更可能とし,条件付きモーメントの変動の大きさを評価する指標を検討する. 数値安定性の改善のため導入した手法では,計算セル内の物理量分布の制限に単純なリミッターを用いているが,空間4次精度以上のFR法では高密度比界面の解像度が改善しないという課題がある.セル内の不連続分布を捉えるのに適した方法として,多項式以外の関数の利用を試行する.
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Causes of Carryover |
本年度は解析手法の定式化に注力し,実施した検証計算も1次元および2次元の低コストなものだったため,3次元の検証計算に必要な計算機については一部の導入を見送った.また,新型コロナの影響で学会等がオンライン開催となったため,旅費の支出が少なくなった. 次年度は検証計算を加速するため必要な計算機を導入し,学会等も現地開催となれば成果報告および議論を積極的に行いたい.
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