2022 Fiscal Year Annual Research Report
Kinetics and modelling of chemical reactions on the surface and vicinity of solid fuels
Project/Area Number |
21K03891
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
松下 洋介 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (80431534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 嘉也 東北大学, 工学研究科, 助教 (30882477)
青木 秀之 東北大学, 工学研究科, 教授 (40241533)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 熱移動 / 物質移動 / 燃焼 / 数値解 / 単一粒子 / シミュレーション / 固体燃料 / 不均一反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,固体燃料の反応性が化学反応を伴う単一粒子周りの熱・物質移動に及ぼす影響を検討するため,不均一反応速度として,バイオマス・チャーを想定したチャーの部分酸化反応とCO2ガス化反応速度を入力してシミュレーションを実施した.具体的には,有限体積法に基づき,一次元球座標系において,連続の式,エネルギー保存式および化学種の保存式の数値解を求めた. 境界条件である沖合のガスの温度と酸素濃度によらず,粒子周りの酸素および一酸化炭素濃のモル分率は粒子表面に向かってそれぞれ単調に減少および増加したのに対し,二酸化炭素のモル分率はr/dp = 1付近で極大を示した.また,粒子周りの温度はr/dp = 1付近で極大を示した.そのため,粒子のごく近傍において生じる発熱反応であるCOの酸化反応,粒子表面で生じる吸熱反応であるチャーのCO2ガス化反応の影響が大きいことが示唆された. 境界条件である沖合の酸素のモル分率の増加に伴い,粒子周りのガスの温度分布は高温側にシフトした.また,境界条件である沖合の酸素のモル分率の増加に伴い,チャーの消費速度(チャーの部分酸化反応とCO2ガス化反応速度の和)は増加したものの,酸素のモル分率が高いほどその増加割合は減少した.この結果を検討するため,チャーの消費速度の内訳として,チャーの消費速度に対するチャーの部分酸化反応速度の割合を検討した.その結果,境界条件である沖合の酸素のモル分率が低い場合,チャーの部分酸化反応速度の割合はほぼ1であるのに対し,沖合の温度の上昇に伴い減少した。一方,沖合の酸素のモル分率が高い場合,チャーの部分酸化反応速度の割合は0.2と低い値でほぼ一定となった.そのため,酸素のモル分率は一定以上上昇させてもその効果は小さくなると考えられる.
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