2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Organic Hybrid Additives to Maximize the Thermal Efficiency of Super-Lean Burn Automobile Engines
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21K03901
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
高橋 和夫 上智大学, 理工学部, 教授 (10241019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 光太郎 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (10455470)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ハイブリッド添加剤 / ノッキング / 超希薄燃焼 / 高圧衝撃波管 / 単気筒エンジン / スーパーリーンバーン / 着火遅れ / 希薄限界 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球温暖化を阻止するには,二酸化炭素(CO2)の排出割合が大きい自動車への対策が急務である。多岐に渡る自動車の温暖化対策技術の中で,内燃自動車エンジンの熱効率向上は近未来の現実的かつ確実な選択肢として極めて重要である。現在,ガソリン車の熱効率向上として超希薄燃料燃焼が注目されているが,同技術のメリットを生かして最大限の熱効率を得るには,ノッキング回避(反応抑制)と点火後の安定した火炎伝播(反応促進)が不可欠となる。本研究では,燃料に添加剤を加えて燃焼の化学反応を制御することにより,相反するこれらの2つの課題の同時解決を図る。ノッキングが問題となる低温(< 800 K)では,低温燃焼中の連鎖担体ラジカルを捕捉して自着火反応を抑制する一方で,火炎伝播の安定性に関連する高温(< 1000 K)では,逆に燃焼反応を促進するという2つの機能をもつクリーンなハイブリッド有機系添加剤の開発を行い,熱効率の飛躍的な向上を目指すものである。 研究初年度である2021年度はノッキング回避を目的として,分子シミュレーション計算による候補物質のスクリーニングを行い,低温領域で燃焼を抑制させる機能をもつ有機化合物を抽出した。これによって得られた知見をもとに,2022年度は高圧衝撃波管およびエンジンを用いた実験を実施し,シミュレーション計算で予測された高いアンチノック性能がリグ試験および実機試験の双方で得られることを検証・確認した。本年度はさらに高い燃料性能を有する添加剤を開発するための包括的知見を得るため,添加剤の化学構造とアンチノック・安定火炎伝播性との相関関係について検討を行い,そのための検証実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度である2021年度はノッキング回避を目的として,分子シミュレーション計算による候補物質のスクリーニングを行い,低温領域で燃焼を抑制させる機能をもつ有機化合物を抽出した。この研究プロセスが順調に進み,2022年度は当初の計画通り高圧衝撃波管を用いたリグ試験による評価・検証とエンジンによる実機検証を実施することができた。しかし,本年度は研究の総括として,ハイブリッド添加剤効果と添加剤の化学構造との関係解明を目指したが,反応モデル構築が思うように進まずに普遍的かつ包括的な知見を得るには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度後半までに各種添加剤の燃料特性を定性的に再現することのできる詳細反応モデルが完成したので,2024年度はこれを用いて燃料性能を最大化するハイブリッド添加剤の設計指針の構築を目指す。
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Causes of Carryover |
これまでのハイブリッド添加剤の燃料性能を再現できる詳細反応モデルの構築が遅れたため,それを検証する実験経費が次年度必要となったため。
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Research Products
(4 results)