2023 Fiscal Year Annual Research Report
油温分布3次元計測の非接触検定レス化とキャビテーション現象の解明
Project/Area Number |
21K03915
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
舩谷 俊平 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50607588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂間 清子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (70773539)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | LIF / 可視化計測 / ミッションオイル / 温度分布計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,Pirromethene597を用い独自開発したトランスミッションオイル用2色LIF法により,自動車用トランスミッションオイル内の音響キャビテーションによる温度上昇の可視化計測に成功し,キャビテーションがトランスミッションオイルの局所的温度上昇をもたらすことを確認できた.しかし計測された約10.0 ℃の温度上昇はトランスミッションオイルの物性への影響をもたらす要因となるとは言えず,また気泡崩壊による気泡周辺最大温度の概算は未達成である.一方で,一般にキャビテーション気泡崩壊の瞬間における気泡内部温度は最大で数千Kに達するといわれており,またキャビテーション気泡のサイズは数μmオーダーから数十μmオーダーである.本実験結果で直径約1.3 mmの気泡群から絶えず10.0 ℃高い温度を示す流れの発生が確認できたことからも,気泡崩壊に伴い境界面近傍に存在する微小トランスミッションオイルが起こす温度上昇は更に大きいものであると考えられる.しかし気泡崩壊時に発生する熱がトランスミッションオイルの物性に与える影響を評価するためには,単一気泡の境界面近傍または気泡崩壊後の微小領域を計測対象とし,キャビテーション気泡崩壊によってトランスミッションオイルがさらされる最大温度を計測する必要がある.よって本計測システムの撮影系に対してハイスピードカメラによる高速撮影および顕微撮影を導入し,単一気泡崩壊の様子および境界面近傍の温度分布を捉える必要があると考える.
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