2023 Fiscal Year Annual Research Report
Three-Dimensional Hydrogen Production Current Distribution in a Cathode-Supported Honeycomb Solid Oxide Electrolysis Cell
Project/Area Number |
21K03916
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 裕典 九州大学, 工学研究院, 助教 (70432862)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 水素 / 水蒸気電解 / 固体酸化物形電解セル / ハニカム形多孔質陰極支持体 / 三次元電流分布 / 三次元濃度分布 / 三次元温度分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
水蒸気から水素ガスを比較的高効率・低コストで生成できる固体酸化物形電解セル(SOEC)のコンパクト化および省エネ性能,耐久性向上のため,電解セルの体積当たりの水素生成速度向上と熱機械的強度増大が期待できる,陰極支持形ハニカムSOECの三次元電流分布および温度分布の解析に必要な知見を得た.試験用ハニカムセルの複数の陰極(水蒸気)・陽極(空気)流路にガス供給条件を設定して,電源装置により所定の電流を取り出し,電解特性評価を行った.ハニカム陰極支持体(Ni-YSZ多孔質)は,熱ゲル成形法による一体成形実績のあるメーカーに依頼して製作し,その表面に電解質(8YSZ),陽極(LSM)のスラリーを塗布,焼成したものである.銀ペーストおよび銀線により集電し,加湿装置を用いて水蒸気を反応物として陰極に供給して電解試験を行い,水素発生を確認した.表面温度分布を熱電対により多点計測したところ,電解電流に依存した温度分布の発達が確認できた.この温度分布を数値モデルに照らし合わせることで,電解特性をよく再現する三次元数値モデルを有限要素法により構築し,三次元電流分布・物質輸送分布に起因する温度分布を明確にできた.また,より単純な平板型・円筒型セルによる検証から適宜高精度化を図った.このモデルにより,より普遍的なハニカムセル設計による電解性能予測が可能となった.実用的な設計を考慮し,単セルあたりの流路本数を試験セルより大幅に増大したハニカムセルの電解特性を求めたところ,電解セルの単位体積当たりに求められる水素生成速度の達成が示されると共に,陰極(水素発生)・陽極(酸素発生)流路配置による電流電圧特性の違いが明確になった.また,単位電極面積当たりの電流密度低減による電極の耐久性向上につながる流路構成や,供給した水蒸気をより高い割合で利用できる流路構成の設計指針が得られた.
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