2021 Fiscal Year Research-status Report
Study of High-Frequency Combustion Instability of Rocket Engines Based on Off-Design Combustion Model
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21K03925
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
苅田 丈士 中部大学, 工学部, 教授 (50358545)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ロケットエンジン / 高周波振動 / 燃焼 |
Outline of Annual Research Achievements |
液体ロケットエンジンで発生する高周波振動燃焼の発生メカニズムについて立てた物理モデルについて、検証実験を行っている。燃料ジェットと燃焼器端面に形成される不完全な閉鎖空間(半閉鎖空間)内で、異常燃焼が生じることが、高周波振動燃焼の原因であるという仮説である(Trans.JSASS, 62, 2019)。実験ではアルコールを燃料とし、酸化剤にはガス酸素を使用している。 強制着火による単発の燃焼実験では、燃焼圧の数倍から十数倍の高圧が、1ミリ秒以下の高速で発生することを確認した。このとき、異常燃焼を起こしている燃焼器端面から離れた場所では、従来言われているような数倍から十数パーセントの変動幅の圧力変化であることを確認した。燃焼空間を燃料ジェットで不完全に区切って隣接空間への火炎の伝搬を調べ、高速の圧力変動が、燃焼器の端面付近であっても空間的に伝搬することも確認した。 また同じ場所で時間的に繰返し圧力変化(燃焼)が発生することを確認することができた。これは外部からの強制着火に因らない、自発的な繰り返し燃焼である。 このように2021年度は高圧・高速・繰り返し・伝搬というロケットエンジン高周波振動燃焼の主な特徴を再現することに成功した。但し時間的な繰り返し燃焼のメカニズムはまだ解明できていない。2022年度は、燃焼ガスの掃気特性など、時間的な繰り返し燃焼のメカニズムを解明することを目的として研究を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
空間的な圧力および燃焼の伝搬実験において、時間的な繰り返しも観察することができた。但し時間的な繰り返し燃焼のメカニズムは確認できていないため、そのための研究が今年度必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
時間的に繰り返し高速・高圧の燃焼がおきるメカニズムの仮説をたて、検証実験を行う。掃気時間などが影響していると考えられる。
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Causes of Carryover |
実験設備整備、模型製作費、アルコール・酸素ガス代が予想よりも安く済んだため。 観察できた高周波振動の繰り返し燃焼のメカニズムを解明するため、実験模型および配管などの一部設備を新たに追加設計・製作し、実験する。
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