2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study of High-Frequency Combustion Instability of Rocket Engines Based on Off-Design Combustion Model
Project/Area Number |
21K03925
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
苅田 丈士 中部大学, 理工学部, 教授 (50358545)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ロケットエンジン / 高周波振動 / 燃焼 / 火炎 / 伝播 / 周期 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はロケットエンジン内部を模した、4区画の燃焼空間を有する燃焼器模型を製作し、プロパノールと酸素ガスを用いた燃焼実験を行った。対面方向と側方方向への火炎の伝搬、燃焼の繰返しについて、プロパノール噴射量や、外部着火・内部着火の変更を行い、燃焼の差異について調べた。キロヘルツレベルの高周波での圧力測定を実施した。 燃焼空間はプロパノール・ジェットと壁面により外部空間と緩やかに遮断された半閉鎖空間となり、この部位で燃焼が起きると(off-design 燃焼、異常燃焼)、半閉鎖空間内の圧力が大きく上昇して短時間で低下することが昨年までの研究で判明している。この圧力変化振幅と変動時間は、実際のロケットエンジンの高周波振動燃焼現象とよく合致している。 実験の結果、プロパノールの流量が多く燃焼空間の遮蔽が強い状況では、圧力上昇が高い事、燃焼繰返し回数が増えることが観察された。また外部から着火させた時に比べ、半閉鎖空間内で着火させた場合のほうが、繰返し回数が多く観察された。 これらのことから、半閉鎖空間で燃焼する場合には、大きな圧力上昇が生じることに加え燃焼の繰返し回数も増加することが明らかになり、高周波圧力振動の特徴をよく再現することが明らかとなった。周期10ミリ秒程度の長周期で変動するsin波形の圧力変動も観察されたが、燃焼の伝搬していない半閉鎖空間での未燃ガスの振動であることが明らかとなった。 この3年間の研究より、ロケットエンジン燃焼器で発生する高周波振動燃焼は我々の仮説の通り、推進剤ジェットによって形成される半閉鎖空間内での異常燃焼によって引き起こされている可能性が高いことが実証された。
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